2019年6月1日(土)~6月15日(土)までの15日間、関東エリアの鉄道事業者21社局合同で、「痴漢撲滅キャンペーン」を実施した。
期間中は警視庁、埼玉県警、千葉県警、神奈川県警の協力のもと警戒を強化。痴漢被害に遭遇した乗客や周囲の乗客に対し、被害内容を駅係員などに知らせるよう呼びかけを行った。
また、6月6日には新宿駅にて、新宿警察署・鉄道事業者・ボランティア合同で朝の通勤客に「痴漢は犯罪!」と書かれたポケットティッシュを配布し、痴漢撲滅のための運動を実施した。

この「痴漢撲滅キャンペーン」が実施される少し前の5月中旬から、Twitterを中心に「痴漢撃退法」に関する議論が加速している。
発端は5月14日、ある女性が中学生時代に電車で痴漢に遭った際のことを漫画にまとめ、ツイートした事だった。漫画の内容は、痴漢にあったツイート主が、当時通っていた学校の保健室の先生から「次からは安全ピンで痴漢を刺して」とアドバイスされたというものだった。現在83,410件リツイートされ、166,086件のいいね数となっている(6月19日現在)。
人生初めての痴漢被害にあった時保険の先生が言ったこと pic.twitter.com/5fEdNrm0qV
— あくび (@pkubiHarubiyori) 2019年5月13日
このツイートに対し、「安全ピンで刺すことは傷害罪にあたるのでは」などの意見があがり、賛否が分かれている。では正しい痴漢撃退の方法は何なのか。警視庁に問い合わせたところ、1週間後に回答を得た。以下全文を掲載する。
警視庁では、痴漢対策として次のことをおすすめしています。
まず、痴漢の被害に遭わないため、
・混んでいる電車、乗車場所には注意しましょう。
BLOGOS編集部
便利な乗車場所(階段や改札の付近など)は混雑すると同時に、痴漢が潜んでいる可能性があります。女性専用車両を利用するなどしましょう。
・不審な動きをしている人の近くは避けるようにしましょう。
ホーム上をうろつく、キョロキョロと周囲を見回しているなど不審な動きをしている人がいることがあります。周囲に対する警戒を怠らないようにし、不審な動きをしている人の近くは避けるようにしましょう。
・通勤、通学時間を変えてみましょう。
BLOGOS編集部
いつも同じ場所、同じ時間に乗る人を狙っている痴漢もいます。時には乗る時間や場所を変えてみましょう。
次に、被害に遭ってしまった場合ですが、痴漢撃退については、次のことをおすすめしています。
BLOGOS編集部
・勇気を出して「やめて!」と言いましょう。
・周囲の人に助けを求めましょう。
・警視庁の防犯アプリ「Digi Police」を活用しましょう。
・痴漢かどうか確信が持てない時は、一旦降りて車両や場所を変えましょう。
・痴漢に触れられているときは、その手を掴みましょう。
BLOGOS編集部
・触っている手元をよく見て袖口や腕時計、指輪など犯人の特徴を確認しましょう。
・警察や駅係員に訴え出ましょう。
我慢したり、黙っていると、痴漢行為がますますエスカレートするおそれがありますので、「嫌だ!」という意思表示をすると共に、確実に警察へ通報、または駅係員へお知らせください。
警察へ通報すると受理者が、警察官を急行させる上で必要なことをお伺いします。お伺いする内容は、事件ごとに異なりますので、落ち着いて質問にお答えください。
多くの場合、「今どこにいますか」と質問しますので、電車であれば「◯両目に乗車している、次は◯駅に止まる」などと答えてください。警察官が急行し、犯人を検挙します。
逃走する犯人は何をするか予想もつかず危険なので、追いかけずに、100番通報や周囲の人へ助けを求めるようにしてください。
安全ピンを使用しての痴漢撃退に関しての質問も投げかけたが、「推薦する撃退方法に含まれていないので、意図を汲み取っていただければ」とのことだった。