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【読書感想】性と欲望の中国

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 僕はこれを読みながら、あまりのすさまじさに笑ってしまいました。なんて落ち着かない街なんだ!
 もちろん、訪れる男性も、そのつもりの人が多かったのでしょうけど、ここまでとなると、正気ではいられなくなりそうです。

 ただ、こういう「なんでもあり」だった東莞市も、いまはすっかり「浄化」されて、かつての「性都」の面影はホテルの部屋のつくりなどに残っているだけ、とのことです。
 経済発展にともなって、地権者たちが風俗店を入居させるよりも土地を転用することを選ぶようになり、広州や深センで大規模な国際イベントが行われるようになったことで、当局の取り締まりも厳しくなったのです。  

 2006年11月には、深センの「三沙」で大規模な取り締まりがおこなわれ、香港人日人を含む買春客の男性が逮捕されたほか、多数のセックスワーカーの女性を含めた関係者ら約200人が黄色い服を着せられて市中引き回しの刑に遭う事件も起きている(なお、中国で「黄色」は、エロを意味する色である)。

 2000年代になっても中国では「市中引き回しの刑」が行われていたということに驚かされるのですけどね。

 ネットで活躍しているラブドール愛好家の家に泊まったときの話や(彼は趣味にだけはお金をかけていて、その他は極めて質素な生活をしていたそうです)、中国でのLGBT事情なども紹介されているのですが、読んでいて感じたのは、「いまの中国の若者というのは、人口の多さとか『家』についての根強い意識はあるけれど、性的な文化や多様性に関して、日本とほとんど変わらないところまできている」ということでした。
 多くの日本人が抱いているイメージよりもずっと、いまの中国は、「普通の国」になっているのです。

 それにしても、なぜ中国でこれほど多様なアダルトグッズ産業が花開いたのだろうか。
 もともと、中国では計画生育政策が採られていたこともあって、アダルトグッズは妊娠の抑制を建前とする形をとって、社会で流通してきた。ゆえに一昔前までは「性健康用品」や「性保健用品」といった名前で呼ばれる例が多かった。
 中国のビジネス系シンクタンク『iiMedia』がウェブ上に発表したアダルトグッズ業界レポート(2018年5月18日付)によると、それでも1993~2000年ごろまでは当局がまだ保守的で、表向きはアダルトグッズの生産を国家が管理する方針を打ち出していたようだが、21世紀にはいってからは市場の自由化が進んでいったという。

 中国には、中国の事情がある、ということなのです。  「一人っ子政策」が事実上なくなっても、子どもの数が激増することがないほど、いまの中国は「先進国化」してきています。  そして、この莫大な人口を抱える国が、急激に高齢化していったらどうなるのか、不安も大きいのです。

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