- 2019年06月18日 17:53
豚コレラ・アフリカ豚コレラは水際でくい止める以外になし- 2010年の口蹄疫による大量殺処分を繰り返してはならず
2/2<各国の厳しい科料>
中国観光客が多く訪れる隣国台湾が、豚コレラ発生地域の肉製品を持ち込んだ者に、罰金約360万円を科す決定をした。当然の措置である。
各国の対応を調べてみると、罰則の軽重は様々であった。特にオーストラリアは厳しく、起訴され約3,360万円以上の罰金、そして拘束され最長10年の服役である。オーストラリアは遠く離れた大陸であり、ユーラシア大陸やアメリカ大陸にある諸々の病原菌が存在しない。だから、一度入ってしまうと未来永劫その防除に務めなければならなくなる。両国とも、実際の罰金以上に、捕まったら大変だから持ち込んではいけないという抑止効果のほうが大きいと思われる。
実は、我が国にも3年以下の懲役又は100万円以下の罰金という法律(家畜伝染病予防法)がある。しかし、刑事告訴から処罰の確定まで時間のかかる日本では、すぐ帰国する観光客には適用が難しい。その結果、実際には個人消費・土産目的の持ち込みには、水際で没収し放棄を促すだけの運用であり、とても十分は水際対策とはいえない。
<上陸拒否による水際対策>
そもそも日本は、出入国管理法5条で「我が国の利益又は公安を害するおそれがある者」に対し上陸を拒否することができる。現行、麻薬・銃所持、売春・窃盗・破壊工作等、17項目の上陸拒否理由が明文化されている。昭和26年の制定であり、今なら「入国拒否」が普通だろうが、大半が船を使っていたので、その名残で「上陸」となっている。
いうまでもなく、家畜伝染病も宮崎県の口蹄疫では牛6万8,266頭、豚22万34頭を殺処分し、455.4億円(殺処分230億円、ワクチンを投与後殺処分したもの225.4億円)の補償額に達していることからわかるとおり、我が国の利益を大きく害する。 そこで「家畜伝染病予防法で輸入してはならない物を所持する者」もここに追加して、疾病の侵入を防ぐ方法である。保持者を上陸拒否することにより、水際でブロックできる。検疫官に対して、これぐらい大目にみろと抵抗する者もいるが、検疫官の権威を高め検挙の執行をスムーズにすることに役立つ。
更に重要なことは、単なる禁止品の没収にとどまらず、下手すると留め置かれ観光日程に狂いが生じる。本人もさることながら、旅行会社も困ることになるし、旅行会社自体がツアー客に肉製品の持ち込みをやめるように促すだろう。中国は日本以上にネット社会であるので、この罰則強化の内容もすぐに広まるであろう。それが周知されることで、海外からの観光者のそもそもの肉製品持ち込みを抑制することができる。
2014年秋に中国漁船の小笠原諸島近海で、中国では相当高価に取引される赤サンゴを求めて違法操業が後を絶たなかった。そこで、議員立法により罰金を600万円から3,000万円に引き上げたところ、ピタリと違法操業がなくなった。絶大な抑止効果である。
<私が豚コレラ対策に汗をかく理由>
私は今懲罰委員長を拝命している。丸山穂高議員に対し、何の法的拘束力のない「糾弾決議」で事実上辞職勧告された。こうした問題を扱う委員会の委員長である。従って、今豚コレラ問題に取り組む立場になくじっとしていたが、少しも終息しないどころか、ポスターで肉製品の持ち込みをしないように呼び掛けるといった、なまくら対策しかしていない政府に我慢ならず腰を上げた。
最初は、後輩議員たちに議員立法のノウハウを学ばせるべく裏方に徹していたが、時間もなくなりそうなのでじっとはしておれず、今は自ら動いている。なぜなら、私は2010年6月、農林水産副大臣を拝命し、就任2日目から2ヶ月間、宮崎の口蹄疫対策本部長として、牛と豚の殺処分と埋却の指揮をとった。あまりにも悲惨であり、このようなことは二度と起こしてはならないと心に刻み込んだ。
ところがそれから8年後、再び同じような事態が生じて日本の畜産が危機に瀕している。TPP11、日欧EPAで酪農家も急激に減っている。このままでは、日本から畜産業がなくなるのではないかという危惧から、6月10日の週から開店休業状態の会期末に汗をかいている。



