
もんじゅ君(撮影:田野幸伸) 写真一覧
高速増殖炉「もんじゅ」が擬人化されたキャラクター「もんじゅ君(@monjukun)」と、メディア・アクティビスト津田大介氏がステージ上で実際に対談し、さらには歌って踊るというニコニコならではの夢の顔合わせとなった。【取材:BLOGOS編集部 田野幸伸】
津田:皆さんってもんじゅ君ご存知ですか? 一応、知らない方もいらっしゃると思うので簡単に説明しておきますと。もんじゅというのは福井県の敦賀市にある、高速増殖炉もんじゅのことなんです。
去年5月11日に、もんじゅが擬人化されたもんじゅ君となり、ゆるキャラとして登場し、突然Twitterを始めました。元々はゆるキャラっぽいTweetをするんだけれど、たまに社会派っぽいTweetもします。
独自の立ち位置が話題になって、最近は本まで出しているのでその辺りもいろいろ聞ければと思います。今日ついにそのもんじゅ君がやってきて、対談するという企画を考えて実現にいたりました。
どうやってもんじゅが敦賀からここに来たのかが、まず気になるのですが。さっき舞台裏で話もしてきたので。皆さんもんじゅ君を楽しみにしているので、早速登場してもらいましょう。福井県敦賀市が誇るゆるキャラもんじゅ君の登場です!
もんじゅ君:ニコニコ超会議に来ている皆さん。おっはおはおはおはようだよ。僕今日は福井県敦賀市から来ました。原発銀座生まれ、MOX燃料育ちのもんじゅ君です!
津田:もんじゅ君、久しぶり。
もんじゅ君:津田さん、お久しぶりです~。
津田:もんじゅ君元気だった?
もんじゅ君:うん。相変わらず元気いっぱいっていうか、ボロボロっていうか。だって僕生まれた時からほとんどお仕事していないでしょう。毎日が夏休み、日本一のニートですから。
津田:もんじゅ君とメルマガで対談して、その時にニートのキングオブキングスと名付けたんです。
もんじゅ君:そうですよ。
津田:インタビューの時にナトリウムをお漏らししてしまうんで、敦賀から動けないという話だったのですが。今日こうやって幕張メッセまで来ちゃいました。ここまでどうやって来たんですか?
もんじゅ君:東京無線。
津田:タクシー!? いくらくらいかかったの?
もんじゅ君:15万6000円くらい。
津田:高っ! そんなお金はどこから?
もんじゅ君:だって僕は今、1日5500万円くらいのお小遣いをもらっているんです。
津田:そうなんですよね。年間200億円ぐらいかかるから、1日にすると5500万円くらいかかっていてそれを自由に使えているということで。今までもんじゅ君にかかった税金って、いくらくらいなんですか?
もんじゅ君:たったの1兆円ちょっとですだよ。
津田:十分多いっていうね(笑)。
もんじゅ君:ごめんなさい。申し訳なさ過ぎてナトリウムをお漏らししそうですだよ~。
津田:ちょっとマズいですよ。ここに絆創膏があるんですけれど、ナトリウムをお漏らしするともんじゅ君、かなり大変なことになっちゃうんですよね。
もんじゅ君:そうそう。僕、普通の原発フレンズと違って冷却に水じゃなくて、ナトリウムを使っているでしょ。ナトリウムは空気に触れるだけで燃えちゃうし、水と反応すると爆発しちゃうこともある。
津田:爆発する割には軽やかだなあと。大丈夫ですかね?
もんじゅ君:今日は大丈夫。JAEAの仲良しのおじさんに絆創膏をつけてもらったの。これで僕、ナトリウムをお漏らししないよ。
津田:この絆創膏だけで大丈夫なのかという一抹の不安はあるのですが、JAEAってなんですか?
もんじゅ君:僕のパパの、日本原子力開発機構だよ。天下りとかいっぱいしている、文科省の研究機関なんだよ。
津田:なんか微妙に悪い感じがしますね、天下りというと。
もんじゅ君:うーん、そんなこと言われると困っちゃいますだよ~。
津田:今日ね、日本一のニートであるもんじゅ君が、初めて福井県を離れてこうやって具現化してここまで来たわけですが、どうですか? 福井県を離れて東京というか千葉県、都会に来たわけですが。福井と違いますか?
もんじゅ君:人は多いし、ビルは高いし、キョロキョロですだよ~。
津田:どうですか。都会の気に入ったところは?
もんじゅ君:東京無線。
津田:やっぱりタクシーなんだ。確かにもんじゅ君を乗せてきてくれたので。こうやって幕張メッセに来てくれたのも、昨年福島第一原発の事故があって、5月11日にTwitterを始めたからですね。そもそも、なんでTwitterを始めようと思ったのですか?
もんじゅ君:僕、ふくいちくんの事故があって、ほんとに悲しくて腹がたってたまらなかったの。だってね、これまで僕を含めて原発フレンズって「お前たちは安全だ!安心だ!」って言い聞かされてきたのに。
津田:確かにね。教科書とかいろんなニュースでも原発はどちらかと言うと安全だと。週刊誌や広告を見ても、安全だと書かれていました。
もんじゅ君:全然違うじゃんって。水素爆発とか、聞いていないし。レベル7とか聞いていないし。僕って一体なんだったんだろうって。
津田:急に、自分のアイデンティティに悩み始めたということですね。
もんじゅ君:それに僕、もんじゅっていつまでたっても完成しないしね。「僕って大丈夫なのかな」って、自分で疑問を感じちゃって…。もう悲しい事故が起こるのは絶対に嫌だから、もっとみんなに僕の存在とか危険性を知ってほしいなと思って、Twitterを始めたの。