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核実験を回避するために

 タイトルを「核実験を回避するために」にしました。基本的な僕の立場は核実験反対です。ただ先にはっきりと言っておきますが、アメリカや日本、韓国の「北朝鮮批判」に同調する気は全くありません。核兵器にしろミサイルにしろアメリカ(とロシア)が独占体制をしいていますし、そのアメリカの核の傘の下で核兵器を国内に配備させてきた日韓に核実験を批判する説得力は無いと思っています。既存の核兵器保有国に対する批判が先行しない朝鮮民主主義人民共和国の核実験批判は、全く意味がないどころかむしろ有害だと思っています。

 しかし、朝鮮民主主義人民共和国の核兵器開発の権利を主張する気にもなりません。核兵器は莫大な数の民間人を巻き添えにすることを前提に作られる恐ろしい兵器です。どのような大義名分を掲げようともそんな物の開発を支持することなど僕にはできません。そのような前提にたった上で、ではどのようにしたら核実験を回避することができるのか、核実験の回避のために必要だと思われる諸条件についていくつか考えたいと思います。といっても特別なことではなく、既に言われていることの整理になると思います。

 歴史的に朝鮮半島に最初に核をもちこんだのはアメリカです。アメリカは朝鮮戦争の時にも核兵器の使用を検討していますが、1958年1月28日に韓国に戦略核兵器を配備し、1991年に公式的に撤廃するまで1720余発の戦略核兵器を配備して来たことが明らかになっています。もちろんアメリカは韓国のみならず沖縄を初めとしたアジア各地にも核兵器を配備してきました。そして今も核兵器を「トランジット」させている可能性が指摘されています。そのような中で韓国政府も朴正煕政権下における1970年代初頭から1978年まで核兵器の開発をしていたことが明らかになっています。そして朝鮮民主主義人民共和国も核兵器の開発へ乗り出しました。1990年代初頭から核兵器を開発しているとの疑念が持たれ、2006年10月9日と2009年5月25日には二度の核実験を行いました。核実験の前には、2006年7月5日と2009年4月5日にそれぞれ「人工衛星」の発射が行われている点も重要です。

 この度の三度目の「衛星」打上が三度目の核実験に繋がるかはわかりません。ただガバン・マコーマックの指摘は的確だと思います。朝鮮半島の「核問題」は歴史的に捉えるべきだし、「真の問題は、あまりにも長く続きすぎている朝鮮半島の「一時的」停戦状態」(ガバン・マコーマック)だと思います。敵対状況が継続しているために、韓国国内にアメリカの核兵器が持ち込まれ、韓国が核兵器開発を試み、そして北朝鮮が核実験を行うのだと思います。そして敵対状況が継続しているために衛星打上技術も問題になるのです。この停戦状態を集結させることを目標に、日本の帝国主義支配による過去清算を含んだ、東北アジアの平和体制を構築することをゴールに設定した対話の進展が、核実験を抑止すると思います。

※参考LINK

北朝鮮衛星発射にあたり、ガバン・マコーマック論考-朝鮮半島の問題を歴史的にとらえる必要性

Gavan McCormack: "North Korea's 100th – To Celebrate or To Surrender?" Japanese version

http://peacephilosophy.blogspot.jp/2012/04/gavan-mccormack-north-koreas-100th-to.html

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