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札幌市議会 松浦忠氏の除名は重きに過ぎないか 松浦氏の過去の行状など感情は入っていないか、今一度冷静に検討すべきだ

札幌市議会の主要3会派が、松浦忠氏の除名決議を行う方針を固めたと報じられています。
札幌市議会、松浦氏除名へ 主要3会派「混乱招いた」」(北海道新聞2019年6月15日)
「札幌市議会(定数68)の自民党、民主市民連合、公明党の主要3会派は14日、5月の臨時会で、臨時議長として議事を強引に進め、8時間の空転を招いた松浦忠氏(79)=白石区=への懲罰について、市議の身分を剥奪する「除名処分」が妥当と結論付ける方針を固めた。3会派で定数の8割を超す56議席あり、松浦氏の除名は確実な情勢だ。」

この松浦氏は、仮議長に選任された途端、暴走してしまい、議会を空転させたという意味では、重大な問題行動といえます。
しかし、除名処分は、議員の身分を失う行為ですから、これだけをもって除名処分とは重きに過ぎます。

松浦氏といえば、以前にも辞職勧告を受けたりとか物議を醸すこともありましたし、私も陳情で何度もお目に掛かったことはありますが、独特の方です。それ以上は言えません。
だから無所属でありながら、4年に一回の選挙でも当選できるだけの支持層があるのかもしれません。

今回の処分方針は、過去の経緯も積み重なっていませんか。
松浦氏だからこそ、仮議長という「仮」でありながらの暴走もやってのけたとも言えますが、逆に、この松浦氏だから「除名」を選択したのではないかとも思ってしまいます。
多分に感情的なものが混じってはいないのか、今一度、冷静に検討し直すべきでしょう。
議員の身分を奪うことは重いし、当然のことながら、松浦氏は無効確認訴訟を提起するはずです。
その訴訟にも耐えうるという判断もしているのかもしれません。

横浜市議会では2002年に2人の議員を除名した事件がありました。
横浜市議会 「市民の党」2議員除名 自民、公明、民主など議決 日本共産党 除名に反対、陳謝が妥当」(赤旗新聞2002年6月26日)

これに対する訴訟では、元議員らの請求は棄却されています。
横浜地方裁判所平成16年4月28日判決。控訴も棄却。
ここで認定された事実は以下のとおりです。

 平成14年5月29日は、本会議場に初めて国旗及び市旗が掲揚された日であったが、両旗は、ポールに掲揚され、同ポールを支える金属製台座の差込み口の部品の穴に約11センチメートル差し込んで設置されており、上記台座は、床に置いてあるだけで床に固定されたものではなかった。また、両旗を掲揚していたポールは、長さが約3メートルの金属(アルミ)製のもので、中が空洞であり、比較的軽いものであった。金属製台座は鋳鉄製であるが、台座の上部分は1本のネジで留めてあるだけであった。

 国旗及び市旗は、市会本会議場の議長席のある演壇上に議長席からみて右側に設置されていたが、原告甲野花子がポールをつかんだ時は、設置場所から数メートル以内に、議長及び市長その他の理事者等が着席していた。また、議長席の前後には木製の机等が設置されていた。

 原告らは、国旗及び市旗の掲揚を決定した手続をめぐって従前から抗議してきたものであり、同日も、議長に対し、国旗の掲揚に抗議していたところ、原告甲野花子が、突然、議長席のある約50センチメートルの高さのある壇の上に駆け登り、国旗のポールを両手でつかむ行為に出た。

 市会事務局の職員らは、急いで原告甲野花子に近づき、同原告の右手の上からポールをつかんだり、背後から同原告の肩等をつかんで後方に引いたり、同原告の手首をつかんで同原告の手からポールを離させようとするなどの制止行為に及んだ。この際、国旗と市旗が激しく揺れて、クロスするなどした。

 上記の認定事実によると、原告甲野花子は、国旗の掲揚に抗議し、突然壇上に登って国旗を掲揚していたポールを両手でつかんだものであるが、職員が上記の制止行為に及んだときには、同原告は、両旗が激しくクロスするほどポールを強く握っていたものと認められ、また、国旗及び市旗を掲揚していたポール及びそれを支えていた台座の構造、設置状況、設置場所の周辺における議長及び市長ら理事者等の着席状況、机等の設置状況等からすると、上記台座に強い外力が働いた場合には、上部に設置されたネジ留め部分が破損し、これにより国旗及び市旗が倒壊する可能性があり、その場合には、長さ3メートルの金属製のポールによって、ポールが届く範囲に着席していた議長及び市長らに危害が及ぶ可能性があり、また、議長席の前後に設置された木製の机等も破損する可能性があったというべきであるから、市会事務局職員の原告甲野花子に対する上記制止行為は、そのような危害の発生ないし物品の破損を防止するためにとられたものとして、人身に対する危害の発生を防止し、物品を適切に管理する職責を有する事務局職員としての正当な職務行為に当たるものと認めるのが相当である。

ライラック190514
2019年5月14日撮影


この判決の是非はともかく、松浦氏は、ただ議長席を占拠しただけで、しかもそのときの身分は仮議長であり、この判決で問題になった事例よりもおとなしいものです。
果たして、除名処分が妥当なのかどうか、再検討すべきと思います。

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