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トランプは中東をどうするのか

アメリカとイランの対立は深まり、オマーン湾でのタンカー被弾については、お互いに相手の犯行だと罵りあっている。トランプ政権下では、中東の緊張は高まるばかりである。

イスラエル・パレスチナ問題がそうである。第二次世界大戦後の世界は、武力による領土の拡大を認めておらず、それが国際社会の原則となっている。イスラエルはゴラン高原を占領しているが、それを国連は承認しておらず、イスラエルの撤兵と占領地の返還を求めている。

アメリカは、クリミアを武力で併合したロシアを批判し、制裁を課しているが、同様な国際法違反を犯したイスラエルには異なった態度をとるというのは、首尾一貫しない。

トランプが、先にイスラエルの首都をエルサレムに移したのも、パレスチナ問題の解決に長年尽力してきた国際社会に対する背信行為であった。

トランプは、次期大統領選での再選のことしか念頭にない。親イスラエルを強調することによって、キリスト教保守派の支持を調達する狙いである。

イランとの対立激化は、原油価格の高騰など、経済的にも悪影響をもたらしている。

トランプは、イランとの核合意から一方的に離脱したが、国際社会が努力して合意案をまとめたこと、IAEA(国際原子力機関)はイランが合意を遵守しているとの査察結果を出していることは一顧だにしなかった。

イランでは、アメリカの制裁によって、穏健派のロウハニ大統領に反対する強硬派が勢力を拡大している。イスラム革命から40年を迎えた中東の大国、イランは、シーア派の支援に力を注いでおり、シリア、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ、イラクのシーア派民兵などを支援している。サウジアラビアなどスンニ派諸国とは対立関係になっているが、トランプ政権による政策転換は、中東のバランスに微妙な影響を与えている。

昨年12月には、トランプはシリアからの米軍の撤収を表明したが、これに反発したマティス国防長官は「小学校5〜6年」発言とともに政権を去った。ISの壊滅とともに、もし米軍が完全に撤退すれば、シリアに対するロシアやトルコやイランの影響力が強まっていく。トランプには、そのことを懸念している様子もない。

アメリカとイランの仲介を試みた安倍首相の努力は実りそうにない。

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