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アメリカにとっての3つの脅威

今日のヴァージニアはよく晴れております。

さて、引き続き「ディシプリン」の話を。

紛争がはじまると「パラドキシカル・ロジック」が発動して、思いがけない事態が発生するとつい先日書きました。

そしてその矢先に、なんと世界の「チョークポイント」の一つであるホルムズ海峡で、日本のタンカーが何者かに攻撃されるという案件が発生しました。

安倍首相がイランを訪問していたさなかのことだったので、さすがにこの案件は日本でもトップニュース扱いで大手メディアに取り上げられましたね。

何度も書きますが、ここで忘れてならないのは、トランプ政権のアメリカは、

①西欧でロシア

②中東でイラン

③東亜で中国

という3つの脅威に同時に直面しているという事実です。

この3つの脅威ですが、来月10日に発売される私が監訳した本の中では、

「現状変更勢力」(revisionist powers)

という名前で呼ばれております。

彼らは、冷戦後からはじまった国際的な秩序(≒アメリカ一極状態)に対して挑戦をしはじめた、各地域に影響力を及ぼす「大国」たちのことです。

もちろんこのロシア、イラン、中国というのは、各地域でそれぞれ独自の事情から、アメリカ率いるこの冷戦後の秩序に挑戦しております。

ところがその秩序を率いる立場にあるアメリカの国家戦略担当の人間たちから見れば、この3カ国は「反米」という同じ方向性を持ったスタンスで、実に密接な連携をしているように見えるわけです。

そして本ブログでも何度か指摘しているように、現在のトランプ大統領というのは、まさにあのような不確実で奇抜なキャラであるために、無意識的に「仮想オフショア・バランシング」を行っており、三大地域の情勢を不安定にさせているわけです。

ここで「ディシプリン」です。

もしアメリカを率いるトランプ政権に、本物の「ディシプリン」があったら、どのようなことを行ったでしょうか?

おそらくこのような、三カ国を同時に敵に回し、しかもそれを「反米」でまとめるというようなことはしなかったでしょう。

今のアメリカが、19世紀末のイギリスだったとしたら、ディシプリンを発揮して、敵を一カ国だけに絞り、同盟を組み替えるために積極的な外交攻勢を開始したはずです。

この続きはまた明日。

(ハーバーセンター)

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