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麻薬捜査のライバル「マトリ」vs「組対5課」 ピエール瀧初公判の日に発表された“すごい捜査” - 「週刊文春」編集部

 6月5日、各メディアを賑わせていたのは、コカイン使用の罪で起訴されたピエール瀧被告(52)の初公判だ。


ピエール瀧逮捕は「マトリ」のお手柄 ©共同通信社

 法廷には瀧の薬物依存の治療に当たっている医師が出廷。依存症の判断基準11項目のうち該当するのは1つだけで、20年以上の使用歴の割に依存性は比較的低い旨を証言した。求刑は懲役1年6カ月。判決はまだだが、執行猶予付きとの見方が大勢だ。

 初公判の報道を見ながら、瀧を逮捕した関東信越厚生局麻薬取締部、通称「マトリ」は束の間の優越感に浸っていたかもしれない。なにしろ大麻所持容疑で逮捕された元ジャニーズの田口淳之介被告(33)にしても、最近話題の薬物事件はすべてマトリの捜査だったからだ。

 だが同じ日、警視庁組織犯罪対策5課も大きな成果を上げていた。静岡県南伊豆町の海岸で中国籍の男7人を覚醒剤取締法違反容疑で逮捕したと発表したのだ。

「組対5課の真骨頂は上からの捜査」

 警視庁担当記者が解説する。

「密輸の捜査は税関が端緒になることが多いのですが、今回は近隣住民から『怪しい船がいる』と通報を受け、数年前から捜査を進めていた。海上保安庁と不審船の警戒を続け、3日夜、船を発見。港で荷下ろしを始めたところに踏み込み、翌4日までに逃げた男らも全員逮捕した。沖合で別の船から覚醒剤を受け取る“瀬取り”をしていたとみられます。画期的な捜査で、警察庁長官賞の有力候補です」

 密輸された覚醒剤は実に約1トン(末端価格約600億円相当)。一度の押収量としては過去最高で、年間の総押収量並みだ。

 警視庁で薬物犯罪を担当する、マトリの永遠のライバル「組対5課」としては、今回の摘発でようやく溜飲を下げたかたちになる。

 警視庁の関係者は胸を張ってこう明かす。

「マトリはもちろん意識しているが、彼らが狙うのは有名人でも末端の使用者で、押収量もグラム単位。下からの捜査しかないマトリと違い、組対5課の真骨頂は上からの捜査で、密輸、密売組織の壊滅だ。組対5課が逮捕したASKAも末端使用者だったが、その後の捜査で密売組織の壊滅まで繋げたからね」

 今回の捜査では、背後で手引きした暴力団関係者の情報もつかんでいるようだ。5課の意気はさらに上がる。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年6月20日号)

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