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どうなる日本の捕鯨…我が国はノルウェーを手本にしよう

ロンドンで行われた日本への抗議デモ(写真:Press Association/アフロ)

 2018年12月26日の政府発表によって広く内外に知られたように、日本はとうとうIWC(国際捕鯨委員会)からの脱退を表明した。そして、その年末に脱退の意思表示が条約議定書付託国のアメリカ合衆国に通知されているので、発効は半年後の7月1日となる。

 この決断に対しては、内外から批判の意見もある。捕鯨反対のスタンスをとるレギュラー評論家に加え、にわか国際捕鯨問題評論家も多数出現した。筆者はそのことを批判しているわけではなく、それだけ大きな決断であったということと理解している。

 日本は実に地道に持続的利用再開の努力を続け、IWCによる鯨類資源の調査研究と管理に貢献してきた。

 いささか力が入りすぎてしまうが、日本はIWCの組織維持にもかなりの努力をしてきた。少なくとも1982年以降、実質的にIWCを支えてきた最有力国の一つから日本を外すことはできないであろう。

 どんなに非難されても、ひたすら耐え続ける優等生であり、功労者でもあった日本が、そして国際捕鯨取締条約を条文どおりに正面からとらえていた日本が……その条約の下に設立されたIWCを出てしまったのだ。

 日本政府は2019年2月に商業捕鯨への道筋を示した。水産庁によれば、2019年7月以降、日本の200海里水域内での商業捕鯨を復活させると宣言している。捕鯨母船を用いて行う沖合捕鯨と従来の小型捕鯨業をそのまま継続させるとのプランを発表した。

 完全に商業捕鯨に移行するには、それなりのプロセスと努力が必要で、それほど簡単ではないだろう。

 捕鯨問題に関しては、ノルウェーに学ぶべきところが大きい。
 ノルウェーは、1982年の商業捕鯨モラトリアム(一時停止)にも異議申し立てを行い、その後、現在まで異議申し立てを継続したままだ。

 1986年に商業捕鯨を一旦停止したが、1993年から復活させた。もちろん異議申し立てを合法的にしているから、国際法的に一切問題はない。また、次の一手も戦術的に素晴らしく、完成したばかりの改訂管理方式に基づいて捕獲枠を設定し、粛々と商業捕鯨を続けている。

 商業捕鯨モラトリアム採択の後には、堂々と異議申し立てを行い、日本が受け入れざるを得なかった米国のパックウッド・マグナソン修正法による制裁も恐れることはなく、先祖から受け継いだ漁業を粛々と守り抜いている。しかも、科学的に妥当にである。

 ノルウェーと言えば、大国も及ばぬ世界が驚くような外交政策を打ったことを思い出す。

 1993年、ノルウェー政府の仲介により、犬猿の仲と思われていたイスラエルのラビン首相とPLOのアラファト議長の間で、オスロ合意とも言う「パレスチナ暫定自治に関する原則宣言」が調印された。

 また、海洋水産の分野では、20世紀末から求められていた複数種一括管理(一つの魚種だけで漁獲限度を決めるのではなく、生態系全体の構成員を考慮して管理する)を初めて実際に導入した国でもある。

 大国が実現できなかった快挙に胸がすく思いだ。日本はノルウェーに学ぶべきだろう。

 以上、加藤秀弘氏の新刊『クジラ博士のフィールド戦記』(光文社新書)をもとに再構成しました。長年、IWC科学委員会に携わってきた著者による鯨類研究の最前線です。

●『クジラ博士のフィールド戦記』詳細はこちら

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