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【読書感想】令和を生きる 平成の失敗を越えて

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 誰がなっても一緒、あるいは、かえって悪くなるリスクのほうが高いのなら、あえて「代える」必要なんてないよね。いまの政権を否定しても、野党には、非現実的なことばかり言っている政党しかないし……

 選挙に関心を持てない、どうせ「民意」なんて反映されない、という国民が、長期安定政権をつくっているのです。

 ネットによって、「勝ち馬に乗って、リベラルを自称している左翼を叩くことで、快感を得る」人たちも増えているのです。

 心理的に優位に立つために、現実の自分にとってはデメリットのほうが多い政策を打ち出している側を支持している場合も、少なからずあるんですよね。

 個人的には、「もう政権交代はありえない」ところから、細川首相の連立政権が生まれたきたのをみてきているので、長い目でみれば、いつか変化は起こると思うのですが。

 「ネット社会」というのも、少しずつ様変わりしているのです。

池上:半藤さん、いまパソコンが売れなくなったこと、ご存じですか?

半藤:えっ、売れなくなっているんですか。

池上:はい。みんなパソコンのかわりにスマホやタブレット端末を使っているからです。いま新入社員でパソコンの使い方がわからないひとが増えているそうです。「ワード」とか「エクセル」が使えない。二年ほど前に、東大生がスマホで卒論を書いたと話題になったことがありましたが、もうそんな状態なのです。いまの40代のひとは、新入社員のときにパソコンが使えない先輩たちに使い方を教え、自分が40代になってみると、今度は20代の連中にまた、パソコンの使い方を教えているという笑い話があります。だから夏や冬のボーナス時期に、パソコンの新型機種が最近出ない。

半藤:そうでしたね、その昔は新聞の一ページを使ってパソコンの広告が出ていましたが、言われてみれば最近は見かけないねえ。

 僕がまさにこの「40代」にあたるのですが、たしかに、パソコンの新機種が話題になるのは、アップルの新型が出たときくらいで、それも、ごく一部の人だけなんですよね。20年前くらいは、電器店のパソコン売り場には人だかりがしてにぎわっていたのに、いまや、通販が多くなったこともあって、パソコンは売り場に静かに並んでいるだけになりました。個人的には、スマートフォンやタブレット端末は便利なのだけれど、何か自分で書いて発信する際には、パソコンのキーボードよりも使いにくいし、何か調べながら書くのにも適しておらず、情報を受け取るだけになりやすいと感じています。もちろん、LINEやTwitterで最低限のやりとりをする分には問題ないのですけど。

 半藤さんは、皇室についてのこんな話をされていました。

半藤:いずれにしても令和の日本には、今後、国防をどう考えるのかという課題が残された。「日米安保条約を破棄しますか」という問いがあります。破棄したほうがいい、と主張するひともいます。しかしこの問題を議論するときに、わたくしはいつも言うことがあるんですよ。それは「この国は守れない国なのである」ということ。このことを日本人はもう少し知っておいたほうがいいと思います。

もうしゃべってもいいでしょう。じつはわたし、昨年平成30年(2018)8月15日の終戦記念日に、秋篠宮様の坊や、悠仁くんに昭和史の講義をいたしました。2時間半やってくれと頼まれて、宮邸に出かけて行った。親王殿下は小学六年生です。その年齢の子にもわかりやすいように戦争へのいきさつを話してやろうと思って準備をしました。で、こういう話を最初にしたんです。

日本はものすごく海岸線が長い。国土の面積ではアメリカの約4パーセントしかありませんが、海岸線の総延長では、アメリカの2万キロメートルに対して日本はじつに3万5000キロメートル以上です。しかも列島の真ん中に急峻な山脈がまるで背骨のようにとおっていて平野がおおむね狭い。人びとは奥には逃げられないんです。

 悠仁さまには、こんなふうに「帝王学の講義」が、もう行われているのだなあ、と思いながら読みました。

 しかしこれ、「もうしゃべってもいい」のだろうか。いや、秘密にしておく必要もないのか。

 今の世の中には「平成しか知らない人」って、けっこう多いと思うんですよ。

 こういう形で、先人たちの知見に触れてみるのも悪くないかと。

 「昭和世代の昔話なんて」と考えてしまいがちだけれど、歴史は繰り返す、というのもまた事実なのです。  

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