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租税条約

2019.06.12

日本は、現在、71カ国・地域と租税条約を、11カ国・地域と租税情報交換協定を結び、96カ国・地域が締約国となっている税務行政執行共助条約に加入しています。
 
これにより、金額ベースで、すでに日本からの直接投資残高の99%をカバーしています。
 
租税条約では、進出先の国は、進出企業の事業利得に対して、恒久的施設(支店・代理人等)がなければ課税することができないことを規定しています。(注1)
 
また、租税条約は、企業の配当・利子・使用料に対する投資先国での課税を制限します。
 
そうしたことに加えて、脱税の防止のための当局間での情報交換に関する国際標準に沿った規定を設けたり、お互いの国での税の徴収について相互に支援を行うための規定を導入したりしています。
 
企業にとっては租税条約があることで、進出先国における課税所得の範囲が明確になり、法的安定性や予見可能性が高まるとともに、投資所得については投資先国における源泉地課税の減免が受けられることになります。
 
また、タックスヘイブンとも呼ばれる国々との間でも租税に関する情報を交換するための租税情報交換協定を締結しています。
 
租税情報交換協定では、銀行機密であることのみを理由に情報提供を拒否しないこと、自国に課税の利益がない場合でも要請を受けたら情報を収集し、提供することを定めています。
 
バミューダ、バハマ、マン島、ケイマン諸島、リヒテンシュタイン、サモア、ガーンジー、ジャージー、マカオ、英領バージン諸島、パナマとこうした協定を締結しています。
 
(注1) 現在の国際課税制度では、外国企業に課税するためには、その外国企業が自国内に物理的拠点を持っていることが必要です。
 
こうした物理的拠点をPermanent Establishment(PE)と呼び、「PEなければ課税なし」というのが国際課税制度の原則でした。
 
しかし、近年、IT企業などのように物理的な拠点を持たずに事業を行っている外国企業が莫大な事業所得を得ているのに課税できないという問題が生じています。
  
そのため自国内にPEを持たない外国企業に課税できるようにするための国際課税原則の見直しが必要になっています。
 
この課題に対処するため、EU各国や日本、アメリカなどが参加してOECDで2020年までに国際課税原則の見直しを伴う解決策を取りまとめるための議論が行われています。
 
EUは、2018年3月に、域内のデジタルサービスの売り上げに3%の課税を行う暫定措置の導入を提案しましたが、一部の国が反対し、合意を断念しました。
 
しかし、フランスは、OECDで解決策が取りまとめられるまでの間の暫定措置として大手デジタル企業に課税することを表明し、2019年3月に議会に法案を提出しました。
 
イギリスは、暫定措置として、2020年4月からデジタル・サービス・タックスの導入を表明し、パブリックコンサルテーションを実施しています。
 
このほかに、スペイン、イタリア、オーストリアなどが暫定措置の導入を表明しています。

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