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金融庁は称賛されるべきだ。政治の真の姿を炙り出したのだから。

連日、金融庁の報告書「2000万円」問題が話題となっている。この問題について、今までと変わらず与党支持・野党支持のそれぞれの立場から一方的かつ非理性的な批判が行われる一方、冷静にしかも客観的にこれを論じるコメントが寄せられているのが目立つ。

私の書いた「不都合な真実から目をそらすな」「年金では暮らせないは正直な事実」にもFacebookやBLOGOSで多くのコメントが寄せられているが、驚くほど客観的でポジショントークとは離れて論じられている方が多い。ブレグジットの時にイギリス市民が相互に冷静かつ喧々諤々の議論をしている様子が報じられたが、まるでそれを思い起こさせる。

 それに対して、与野党の反応はどうか。選挙を意識することはやむを得ないこととはいえ、党利党略からのポジショントークがあまりにひどい。曲がりなりにも政治家、政党ならば年金だけでは暮らしに不自由する状況が益々悪化していくという、このまごうことなき真実はわかっていたはず。これをなんとかするには、国民負担率の大幅増を含めた制度改革が必要なことは、与党だけでなく、野党各党もわかっていたはずのことである。

しかし与野党ともわかっていながら黙っていただけで、それを正直に国民に告げ、「冬に備えよ」、と言った金融庁ないしはその報告書を非難するのはあまりに卑怯というものだ。

その罪(なんの罪かもわからないが)を金融庁に押しかぶせ、撤回を迫る自民党の姿はあまりに醜悪。そして、報告書の受け取り拒否をした麻生財務大臣は、普段の率直で部下を庇う姿とはかけ離れてしまっていて残念至極というしかない。国民の将来を憂い、正直な仕事をした部下を突き放しては、今後彼らは二度と国民のために働こうとはしないだろう。官僚は、これに懲りて益々政権与党の顔色を伺うことしかできなくなるはずだ。

一方の野党も、これを党利党略、参院選に向けてのチャンスととらえて政権攻撃の手段とするならば、その姿は与党とあまり変わりはない。

こういった与野党の姿こそ国民に政治不信を抱かせてきたのであろう。そして、日本の民主主義が機能していない真の原因は、こうした目先の利益に飛びつく政治的体質にあるのだろう。

今回の年金問題、金融庁の功績は大きい。国民に対し、老後に備えるべき、という正しい警鐘を鳴らしたことにとどまらず、今の政治の無責任さを全国民に正しく露呈させたのだ。

なお、この問題に関して簡にして要を得る解説が山崎元氏の記事で纏められているので是非ご覧いただきたい。

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