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ベンツが作る電気自動車の完成度は? 初の市販モデル「EQC」に試乗!

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●ベンツはエンジンなしでも本格派だった


メルセデス・ベンツは同社初の市販電気自動車(EV)「EQC」の試乗会をノルウェーで開催した。「ベンツ」といえば内燃機関(エンジン)で走るクルマの生みの親だが、同社の電動化戦略は今、どの程度のレベルに達しているのだろうか。さっそくオスロに飛び、EQCのステアリングを握ってきた。

ノルウェーでメルセデス・ベンツ「EQC」に試乗した

○2つのモーターを持つ俊足EVが登場!


EQCの説明は以前の記事を参考にしてほしいが、バッテリーだけで走るEV(BEV:Battery Electric Vehicle)としては、メルセデスで初めてのモデルとなる。テストケースとしては過去に「スマート」(メルセデスが展開するコンパクトカーのブランド)のEVを市販したことがあったが、「EQ」ブランドとしては、今回のEQCが初のBEVだ。

EQCのボディはエンジン車「GLC」をベースとするので、ボディサイズは中型のSUVと同等。だが、その中身はエンジンを搭載せず、リチウムイオンバッテリーを床下に敷き詰めた本格的なEVなのである。

駆動するモーターを前後アクスル(車軸)に搭載するEQCは、2つのモーターを持つ四輪駆動車(4WD)だといえる。モーターは合計すると402ps(馬力)で、最大トルクは約750Nm(ニュートンメーター、トルクの単位)となる。

電費(ガソリン車の燃費にあたる)を気にせずフル加速すると、EQCの0-100km/h加速(停止状態から時速100キロまで加速するのに要する時間)はなんと5.1秒と俊足だ。この速さは「GLC 43 AMG」(AMGはメルセデスのハイパフォーマンスカー)なみの加速なのだ。気になるリチウムイオンバッテリーの容量は80kWhで、WLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure=乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)ではフル充電時の航続距離が450キロと規定されている。

○いよいよ試乗! ベンツのEVはどんなクルマか


いよいよ、メルセデス・ベンツのEQCに乗り込む。試乗では市街地を数キロ走り、高速道路とカントリー路も試すことができた。ノルウェーをEVで走るのは、今回で2回目だ。

実は以前、三菱自動車工業のEV「i-MiEV」(アイミーブ)がノルウェーで売れていると聞き、その理由を探るため、ノルウェーを訪れたことがある。2012年のことだったが、その時にわかったのは、ノルウェーではフィヨルドから流れ出る豊富な水力を使った水力発電が盛んで、国内で使用する電力の約95%を水力でまかなっているということ。この事実を聞いた時には、なんとも羨ましいと思った。

さらに驚いたのだが、同国では消費エネルギーの8倍のエネルギーを産出しているので、エネルギー自給率は800%に達するという話だった。一部の電力は他国に運びにくいので、水を電気分解し、水素を供給するビジネスも検討しているという。もともと、北海油田(主に天然ガス)をビジネスとしてきた資源国なので、国民1人当たりの所得は平均で1,000万円と裕福だ。

再生可能エネルギーで電力需要の大部分をまかなうノルウェーは、いわば“EV天国”だ。そんなことを思いながら、EQCをドライブした。

EQCに乗り込んでアクセルを踏む。その静かで力強い走りは感動的なのだが、さすがに「テスラ」との違いはあまり見つからなかった。そう、この国ではすでに、多くのテスラ車が走っているのだ。最近発売となった「モデル3」が大ヒットしているらしい。

EQCのインパネは、同社の最新のガソリン車と同じくデジタル化されていて新しい。カーナビから電気使用量まで、ドライバーに必要な情報がわかりやすく表示される。システムが複雑になるので、インターフェースが重要だ。このEQCには「MBUX」(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス、同社最新の対話型インフォテインメント・システム)が備わっているので、音声で行き先を検索したりもできる。簡単な言葉なら、しゃべった内容をメールで送ることも可能だ。

ステアリングの後ろには、左右に「パドル」が用意される。左のパドルを指で引くと回生ブレーキが1段強まり、さらに引くと2段目の回生ブレーキとなる。これにより、最大で約0.25Gのブレーキ回生が得られる。エンジン車でギアを2段シフトダウンした感じなのだ。右のパドルを引くとノーマルモードとなり、さらに右パドルを引くとコースティングとなる。

EQCのドライブモードは5つある。デフォルトは「COMFORT」モードだ。アクセルのペダルの踏み方を検知し、エコと走りをバランスさせる。キーテクノロジーはインテリジェントペダルである。

「ECO」モードを選べば、EQCは電気を効率よく使って走行する。「MAX RANGE」モードを選択すると、航続距離が最大になる。「SPORT」モードにはスロットルペダルの反応をシャープにする機構が織り込まれていて、「INDIVIDUAL」モードでは様々な仕様をカスタマイズすることが可能だ。

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