- 2019年06月11日 10:09
「小学校の修学旅行が教員の都合で中止」はアリか ネットで賛否
子育てや介護中の教員が、泊まり勤務に入るのが難しいとの理由から、ある小学校の修学旅行が廃止になったというツイートが話題になっている。
娘が来年から通う小学校が、修学旅行がなくなるらしいと聞いて、理由を聞くと子育てや介護をしている教員が泊まりで行けないから、6年の担任を独身や若手で構成せざるを得ず負担が集中するからと。教育の方の負担軽減は大賛成。けど、子どもの行事をなくすことで解決になるのかな?
— Nikov (@NyoVh7fiap) 2019年6月2日
本来は、教員の方々が人間らしい健康的な生活をできるように、待遇改善や人的物理的予算つけるべきじゃないのかな。公教育って、貧困格差があっても一定の経験を担保できる性格のものだから、そこ削り始めたら、教育格差はどんどん広がってくよ。結局、家庭ごとの自己責任論にいってしまう。
— Nikov (@NyoVh7fiap) 2019年6月2日
このツイートに対し、ネット上では教員や、教員を家族に持つ人などからコメントが相次いだ。
個人的には、出張の2泊と修学旅行の2泊は負担が違うのではないかな…と思います。
— きょうこ@ママ教員に多様な働き方を! (@okoyk_kyoko) 2019年6月3日
私は今年、1泊の宿泊行事のチーフをしています。
妊娠中なので当日は同行しませんが、4月に前任から引き継ぎ、綿密な計画に報告や書類etc…で目が回りそうです。
息子の育児と悪阻で、正直本当にキツイです。
父が教員で毎年のように修学旅行を引率します。常日頃母はワンオペ、父は仕事とはいえ他人の子どもに尽くし我が子と過ごす時間はほんのわずかという姿を見てたのでそろそろ転換期が来たらいいのにとは思います。
— ふれん/25w (@5rssfrfrw) 2019年6月4日
私自身も楽しみにしていた子どもだったので悲しいなと思います。一方で産休明けの1歳児が居る女性の先生が修学旅行で泊まりをしなければ行けない、旦那も激務で親にも頼れないという友人の教員がいます。先生のそういうのっぴきならない都合も鑑みて担任を持たせてほしいなと思いました。
— どんぐりぼうず@9m (@5m22955351) 2019年6月2日
明治〜昭和を通じて定着したという修学旅行。時代が移り変わる中、現在の修学旅行を巡る状況はどのように変化しているのだろうか。文部科学省、公益財団法人「日本修学旅行協会」に話を聞いた。
修学旅行は義務ではない

文部科学省によると、修学旅行は学習指導要領の中の「遠足・集団宿泊的行事」(小学校)、「旅行・集団宿泊的行事」(中学校)のひとつとして位置づけられている。
⑷ 遠足・集団宿泊的行事 自然の中での集団宿泊活動などの平素と異なる生活環境にあって,見聞 を広め,自然や文化などに親しむとともに,よりよい人間関係を築くなど の集団生活の在り方や公衆道徳などについての体験を積むことができるよ うにすること。 (小学校学習指導要領(平成29年告示)第6章 特別活動 学校行事)
⑷ 旅行・集団宿泊的行事 平素と異なる生活環境にあって,見聞を広め,自然や文化などに親しむと ともに,よりよい人間関係を築くなどの集団生活の在り方や公衆道徳などに ついての体験を積むことができるようにすること。 (中学校学習指導要領(平成29年告示)第5章 特別活動 学校行事)
つまり、要領で規定しているのは『平素と異なる環境で集団生活の体験を詰むこと』だ。文科省の担当者は「いわゆる『修学旅行』を義務付けるものではありません。また、宿泊の有無や行き先なども各自治体や学校の判断によります」と説明する。
日本修学旅行協会の青木正史氏によると、修学旅行のスタイルの変化や多様化する生徒のニーズによって教員の負担増加があるという。
「昔は、学年全体でバスに乗り込み、見学して集団で見学するというスタイルが主流でした。最近では班別の自主行動が増え、スケジュールも事前に班別で計画を立てるという学校が増えています。そういった学校の場合、先生が準備にかける時間も当然、増加しているのではないかと思います。
また、生徒さんの中にもアレルギーで食事の制限がある方も以前より増えました。先生方は食事を取るホテルや飲食店などでメニューを事前確認してアレルギーに合わせた依頼をする必要があります。間違って食べてしまうと命にも関わってくることなので、かなり神経を使うことになると思います」(青木氏)。
一方、生徒にとって親元から離れ自宅とは違う場所に泊まるという非日常の経験はとても大きいものとなる。
青木氏は、「修学旅行は、生徒さんにとって学習効果が非常に大きい、そして思い出に残る最大の行事のひとつです。小学校や中学校で今でも覚えている思い出として修学旅行を上げる大人は多いと思います。
そのため先生方も、『生徒たちのために』と苦労することが分かっていても頑張っていらっしゃるのではないでしょうか」。
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