記事

LAタイムズ退社後に、正社員記者になったのは11%

前々回のブログでは、米メディア業界での人減らしが空前のペースで進んでいることを紹介しました。

では、その「クビ」になったジャーナリストはどうなったか?それについて纏まった報道はありませんが、米西部の名門、ロサンゼルス・タイムズ(LAT)の有志が、会社を去ったかっての同僚たちを対象にオンラインで調査をしていました。

コロンビア・ジャーナリズム・レビュー(CJR)が紹介しているのですが、調査は昨年11月、電子メールソフトとFacebookのグループを使って行ったそうです。

これに114人の元LATジャーナリストが回答しました。うち108人が全ての質問に答え、6人はいくつかの質問をスキップしたとのこと。

そのうち、91%にあたる104人が2000年以降にLATを去りました。ですので回答者の年齢で70才以上は15%しかいません。最も多かったのは、かっての親会社Tribuneが破産した2008年の34人でした。

LATを去った理由で一番多いのがレイオフ、要するに首切りで38%。ついでbuyoutと呼ばれる早期優遇退職によるもので33%。将来に見切りをつけて別の仕事に就くために自主退職した人が20%、リタイア が3%、その他6%でした。

そして、問題の、辞めたジャーナリストは今、何をしているか。今現在も働いていると答えた92人中、59人(64%)が、なんらかの形でジャーナリズムに関わっていると回答したそうです。

このうち、ジャーナリズムのみで働いている人は27人(29%)でした。つまり残る32人は、ジャーナリズム以外でも掛け持ちで働いているわけです。

そこで、ジャーナリズムで働いている人の「身分」についてみると、回答したのは43人で、このうち「フルタイム」と回答したのはわずか13人、30%に過ぎません。フリーランスの身分が一番多くて20人、パートタイムが5人などです。

つまり、LATを去ったジャーナリスト114人中、今もフルタイム、つまり別のメディアの正社員としての記者職で働いている人は11%に過ぎないということになります。

しかし、一方で元気の出る回答もありました。LATのような「紙」主体のアナログメディアを去ったジャーナリストが、自らの新しいデジタルニュースメディアを始めることに関わったかどうかの問いに対しては112人が回答しましたが、計28%もが、少なくとも一つのニュースサイトを始めたと回答したのです。21%が複数の寄稿者を抱えるニュースプラットフォームで、4%は個人ブログの形式で、3%がその両方でした。

その報道内容は、ローカルな調査報道からコミュニティニュース、ヘルス、エンタメ、ビジネス、さらにはポッドキャストやショッピングサイトまで幅広い内容です。調査時点で19のプラットフォームが継続しており。それらのうち4つは公益にかなう内容だとしてNPOの認定も受けているそうです。

新聞社を去った4 人に1人以上がネットでニュースサイトなどを立ち上げるなんて、日本じゃちょっと考えられない。やる気とデジタルスキルのあるジャーナリストが多いのでしょうね。さすがLATジャーナリストというべきか。

そのLAT、1990年代には1200人もの記者がいましたが、その後、レイオフに次ぐレイオフで昨年には400人までにやせ細りました。それほど多くの人が編集局を去っているので、今回回答した114人が全体を代表しているわけではありませんが、大まかな傾向を知る事は出来るでしょう。

新聞社を去った後には厳しい現実が待っている。それは日本のジャーナリストにとって、いつまでも対岸の火事ではないはずです。とりあえず、デジタルスキルを身につけなくっちゃ。オーストラリアのNews Corpではデジタルスキルのないベテラン記者からレイオフするそうだから。

あわせて読みたい

「リストラ」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。