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阪急電鉄の中吊り広告に批判の声 企画の会社「細心の注意を払った」

阪急が掲出した「はたらく言葉」が話題に

6月1日から、阪急電鉄の神戸本線・宝塚本線・京都本線にて運行されている「ハタコトレイン」という企画列車が話題になっている。

この企画では、阪急の各路線で1編成ずつ、働く人々の思いを紡いだ「はたらく言葉たち」を車内に掲出している。

「はたらく言葉たち」というのは、これまで長らく企業向けブランディング事業に携わってきた株式会社パラドックスが、数多くの企業取材から集めた働く人々の言葉をまとめたもの。同社は「はたらくことを通して、自らの志を磨き、自己実現をしている人々の言葉」と説明する。

今回のコラボレーションの意図について、同社の担当者は「令和という時代を迎え、明治時代から100年以上『はたらく人たち』を乗せてきた阪急電鉄さんと共に、通勤中に活力とな、仕事に誇りを持てるようなプロジェクトとして企画」とした。

「ブラック企業の精神論」ではないかと批判

株式会社パラドックス

一見、ポジティブな「はたらく言葉たち」が並ぶ今回の企画だが、実際に編成に乗車したユーザーからは様々な反応が寄せられている。

ネット上では「はたらく言葉たちだけが書かれた広告がずらっと並ぶ光景は圧巻」「仕事の時間は生きている時間だから、自分にとって意義あるものにしたい」といった前向きな言葉が見られた一方で、一部の文言に対しては疑問や批判の声も寄せられている。

特に問題視されているのは、次のような内容だ。

私たちの目的は、
お金を集めることじゃない。
地球上で、いちばん
たくさんのありがとうを
集めることだ。

外食チェーン 経営者/40代

この「地球上で一番たくさんの“ありがとう”を集めるグループになろう」というのは、ワタミグループのスローガンだ。ワタミでは、過去に傘下の飲食店グループで働いていた女性従業員が過労自殺した事例がある。

そのため、この言葉を肯定的に取り上げたことに対しては、「ブラック企業あるある的精神論ポスターみたいなのを車内広告で出しまくってるの?」「車内中吊り広告に渡邉美樹の名言()をぶら下げてるって本当」といった厳しい批判が集まっている。

また、給与は毎月30万円でも自分が楽しいと思える仕事をするべき、とする以下の広告に対しても「現実知らない」「時代錯誤」といった声が寄せられている。

毎月50万円もらって毎日
生き甲斐のない生活を送るか、
30万円だけど仕事に
行くのが楽しみで
仕方がないという生活と、
どっちがいいか。

研究機関 研究者/80代

「色々な意見が出てくるのは当然」と説明

この企画列車について、阪急電鉄に取材したところ「詳しい内容についてはわかりかねる」との回答があった。

数多くある広告の中で、粛々と掲載させていただいている一つ。内容については株式会社パラドックスに聞いてほしい。

今回の企画を手がけた株式会社パラドックスの担当者に話を聞くと、「この企画では約100個の『はたらく言葉』を出しており、それぞれの文言について何重にもチェックするなど、細心の注意を払っていました」とした上で「利用者の方に、予想していない形で受け取られてしまいました」と語る。

ネット上で批判的な声が上がったことについては、次のように応えている。

はたらくことについて、色々な意見が出てくるのは当然だと思います。これをきっかけにはたらくことに対しての様々な議論が生まれるといいと思います。

また、ユーザーから批判が集まっていた内容については、こう説明した。

私たちは実際に取材の中で生まれた言葉のみを「はたらく言葉たち」として世の中に出しており、ワタミ様とのお取引もなく、ワタミ様の言葉として出しているわけではございません(ワタミ様の社長様は50代ですが、言葉の肩書きは40代となっております)。別の外食チェーンの経営者の方を取材した際に、ワタミ様の影響を受けた発言となっている可能性はあるかもしれません。

言葉の意味としましては30万円が高い安いという基準ではなく、給与の高さよりも仕事のやりがいを大事にするという価値観もあるということを伝えたい言葉の意図があります。

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