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いまだPDCAを回しているだけの人の末路

どうすれば「カイゼン病」から抜け出せるか

「まずは、一枚のまっさらな紙を用意してください。そこに自分の思っていることを自由に書き出してみる。さらに習慣として、1日15分、ビジョンを自由に描く時間を作ることから始めてください」



BIOTOPE代表 佐宗邦威氏

それが、「新しい思考」のスタート地点だ――著者の佐宗邦威氏は言う。

「僕たちが転機の時代を乗り越えるために必要なのは、つきつめればただ1つ。『妄想』する力なんです」

ビジネスや自分のキャリアがうまくいっていない――そんな悩みを多くの人が抱えている。その理由は、皆が「カイゼン病」に罹っているからではないか。そんな問題提起が、本書の根底にはある。

「とにかく数を作り、性能をつきつめればいい。そんな『答え』がはっきりした時代は、カイゼンで良かった。しかし、多くの産業がサービス業化する世界的な潮流のなか、必要なのはクリエイティブな力。それを養うには、カイゼンを超えなければいけない」

カイゼンのためにとPDCAサイクルや、新しいツールを導入し、必死に「答え」を求めてきた。しかし、どうにもうまくいかない。

ならば、さらに進んだ、グローバルの最先端ビジネスを学ぼう。そう思って勉強を始めたあなたは驚き、不安に陥るかもしれない。「答えはない」という厳しい答えがそこにあるからだ。GAFAにしろ、テスラにしろ、イノベーションを起こした成功者たちは「答えのない問い」に向き合ってきた。スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクのみならず、イノベーティブな人間を突き動かしたのは、問題発見の論理性よりも、自分がこうしたいという「妄想」なのだ。


佐宗邦威『直感と論理をつなぐ思考法』(ダイヤモンド社)

ビジネスのための「妄想」手引書

「月に行きたいとぶち上げる、『ムーンショット』が人を駆り立たせるんです」

本書は答えはないと突き放すだけでなく、では、どうするべきなのか。直感を活かすために必要な論理が、実践的に描かれる。いわばビジネスのための「妄想」手引書なのだ。

「すべての思考はサイクル」という佐宗氏。ビジョン思考、デザイン思考、戦略思考、カイゼン思考のサイクルを示し、互いの関係性、段階を図で表すことで、あなたの「現在地」を問う。そして、あなたが進むべき次のサイクルにどう挑めばいいのか、一流の経営者、学者の論を引きながら、具体的な方法を教えてくれる。

本書は世界のビジネスの、いやビジネスにとどまらないあらゆる常識が変わる中であなたが変わるための第一歩を踏み出す地図でありガイドとなる一冊だ。まずは、一枚の白紙から始めてみよう。

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佐宗邦威
BIOTOPE代表
大学院大学至善館准教授、京都造形芸術大学客員教授。1980年、東京都生まれ。イリノイ工科大学デザイン研究科修了。

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(伊藤 達也 撮影=小野田陽一)

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