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新天皇と雅子さまに「どのような感じをもっていますか」――日本人が皇室に抱く“好感”と“無感情”のサイクルとは - 河西 秀哉

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 5月1日、皇太子徳仁親王が天皇に即位、元号が令和となった。5月4日に実施された即位一般参賀では、14万人ほどの人々が皇居を訪れ、1990年11月に実施された平成の即位を祝う参賀の約11万人を超えたという(「朝日新聞」2019年5月5日)。

【写真】同じ方向を見つめられる天皇皇后両陛下

天皇皇后両陛下 ©文藝春秋

 5月27日には、令和初めての国賓として来日したアメリカのトランプ大統領を招いた宮中晩餐会が開催された。そこでトランプ大統領夫妻に接する新天皇夫妻の姿勢が話題となった。多くの場面で通訳を介さず英語で話す二人(特に雅子皇后)の姿が、マスメディアからも好意的に評価され、人々にも受け入れられた。

雅子さまの笑顔 たしかに自信に満ちているように

「令和になっての雅子さまは威風堂々、自信を持って行動しているように見える」(「AERA」2019年6月10日号)との評価に見られるように、全国赤十字大会や全国植樹祭に伴う愛知県訪問など、雅子皇后はこれまで以上に積極的に公務を担っている。また、その顔は笑顔で、たしかに自信に満ちているようにも見える。2004年6月に適応障害の診断を受け、その後の療養期間は公務を休むことも多く、未だ療養中であるため、令和となってからも欠席の可能性はあった。

 しかし、皇后となってからは今のところ、むしろ積極的に公務を担っており、雅子皇后の病状は落ち着いているように見える。徳仁天皇とともに公務を行うその姿は、すでに「令和流」とも呼ばれ、その一挙手一投足が報じられている。即位前後、天皇・皇后と上皇・上皇后との「二重権威」が心配されていたが、今のところ、そのような状況は生まれていない。

平成はどのようにして始まったのか

 では、平成の時はどうだったのか。1989年1月9日の即位後朝見の儀において、明仁天皇は「皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い」と、人々に語りかけるような口語体で「おことば」を述べた。その「言葉は心に残りました」(「朝日新聞」1989年1月9日夕刊)という大学生の意見に代表されるように、天皇のそうした姿勢は評価された。時代がここで大きく転換したと見られたのである。

 この時は、前年秋より続いた、昭和天皇の病気に伴う「自粛騒動」が世間に強い印象を与えていた。ここから天皇制が持つ強い権威を間近で感じ、反発や疑問を感じる人々も多かった。そして昭和天皇の戦争責任が議論されるなど、天皇制とは何か、その是非をめぐっての議論も戦わされた(そうして注目された番組の一つが、「朝まで生テレビ!」だろう)。また一方で、昭和天皇の死去に伴う即位は、祝意という側面をも減退させることにつながった。平成の時の即位後朝見の儀は、喪に服した人々の服装で、全体的に黒い。こうした状況が、祝意が前面に出た今回の令和との大きな違いである。

 しかし、そうした状況のなかで、明仁天皇は人々に語りかける「おことば」を述べた。こうした方針は人々との関係性を重視するものと捉えられ、当時、「開かれた皇室」と呼ばれてマスメディアでは大きく注目される。たとえば読売新聞は、「開かれた皇室をぜひ タブーなくし伝統継承を」という見出しを掲げた記事を掲載した(「読売新聞」1989年1月10日)。それまでの天皇制には「タブー」が存在し、どこか人々とは隔絶した感があると、ここでは述べられている。それを打破するのが新しい天皇・皇后であり、それによって人々と精神的により近い「開かれた皇室」になる、そうした期待感がこの記事の中には存在していた。そして、それは人々にも伝わっていく。

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