記事

「人前で手をつながない」天皇と雅子さまが“初めて”カメラの前で手を触れ合わせた日 ベテラン皇室カメラマン・河崎文雄さんの秘蔵写真で振り返るおふたりの26年 - 河崎 文雄

1/2

 天皇皇后両陛下は令和で最初の結婚記念日を迎えられました。「女性自身」の皇室カメラマンとして、昭和の時代から35年に渡り皇室の方々を撮影してきた河崎文雄さん(74)に、おふたりの秘蔵写真やファインダー越しに見た「素顔」を特別に紹介してもらいました(写真は「文春オンライン」で限定公開しています)。

◆◆◆

“新婚旅行”とも言われたご成婚後初の海外訪問

1994年、サウジアラビアの「赤い砂漠」で ©河崎文雄

 両陛下のご成婚後初の海外訪問で、“新婚旅行”とも呼ばれたのは、1994年11月の中東4カ国ご訪問です。サウジアラビア、オマーン、カタール、バーレーンを公式訪問され、私は日本から政府専用機に同乗して約2週間をご一緒しました。上皇ご夫妻が訪れたことがあるサウジアラビアを除く3カ国での、皇族の公式訪問は初めてのことでした。

 印象深い撮影は、サウジアラビアの「赤い砂漠」でお願いしたツーショットです。周囲はごつごつした岩が混じった土漠なのですが、このエリアだけ、見渡すかぎり赤い砂が広がっていて、とても美しいのです。

 おふたりの周りには、たいてい政府関係者や取材陣がぞろぞろついて歩きます。せっかくいい景色が広がっているのに、シャッターを切ると後ろのおじさん連中が写り込んでしまう。イスラム圏では女性は肌を露出してはいけないので、女性カメラマンはアバーヤと呼ばれる衣装を身にまとっていたのですが、着慣れていないからまるで忍者のよう(笑)。

 これでは台無しだと思って、「周りに人が写らないように、おふたりだけでむこうのほうに歩いていただけますか」と侍従に注文すると、おふたりは快諾してくださりました。赤い砂におふたりの足跡だけが続き、振り返ったところを撮影しました。

「赤い砂漠」に、雅子さまがお召しになっていた深緑の服がよく映えています。気温は30度以上あったと思いますが、おふたりとも涼しげな表情をむけてくださいました。

登山中、手を合わせ祈るようなしぐさを見せた雅子さま

 上皇ご夫妻には、一緒にテニスを楽しまれている写真をたくさん撮らせていただきました。両陛下の場合は、天皇陛下が一番の趣味と話されていた登山です。

 実は私が皇室担当になったのも登山がきっかけでした。天皇陛下がお若い頃に登山の取材があると、山歩きが得意な私がよく雑誌の代表カメラマンを任されました。式典などの取材と違って、山では皇室の方々も自然と言葉をかけてくださいますし、山頂に着くと陛下を取材陣が囲んで記念写真を撮りました。

 両陛下の新婚時代にも、たびたび山登りに同行しました。夏に那須の御用邸へ行かれると、周囲の山をよく歩かれました。

 ただ、健脚の天皇陛下と一緒に歩かれる雅子さまは大変だったでしょう。山頂まであと数十メートルという場所に着くと10分間ほど休憩され、呼吸を整えてから私たちの前に歩いてこられました。そのまま山頂に着いて取材陣に囲まれたら、呼吸がゼイゼイしている姿が写真や動画で撮影されてしまうからでしょう。そういうお気づかいも含めて大変だったろうと思います。

 雅子さまが手を合わせている一枚は、94年8 月31日に栃木県の茶臼岳を登られたときのものです。山頂へむかう途中で急に視界がひらける場所に出て、その景色の美しさに思わず手を合わせたところだと思います。まだ愛子さまがお生まれになる前の新婚時代ですから、おふたりの幸福な結婚生活を祈っていたのかもしれません。

なかなか手をつながないおふたりが「手を触れ合わせた」瞬間

 平成最後の日に「退位礼正殿の儀」で、台座を降りられた上皇陛下が美智子さまの手を取られたことが話題になりました。おふたりは若い頃から手をつないだ写真がいくつも残っています。

 現在の両陛下が手をつないでいるところは、私は見たことがありません。おふたりの山登りに同行したとき、足場の悪いところで「ここなら手を差し出されるかも」と何度も狙いましたが、あいにく一枚も撮れませんでした。恥かしい、照れくさいというお気持ちがあるのでしょうか。人前で手をつなぐようなことはなされないのでしょう。

 唯一撮れたのは、飛行機のタラップをあがるときに陛下が雅子さまの腕に手を添えられた場面です。これは99年12月にベルギーのフィリップ皇太子の結婚式に参列して帰国されるときのワンシーンでした。帰国後すぐに朝日新聞が「雅子さま 懐妊の兆候」と一面トップで報じたのを見て、私はこの場面を思い出したものです。その後、雅子さまが稽留流産されたことを思うと、忘れられない一枚です。

 仲睦まじいおふたりの様子を捉えたこともあります。同じ99年の2月に北海道でネイチャースキー(歩くスキー)を楽しまれたときのこと。転びそうになった雅子さまを、陛下が後ろから抱きかかえられたのです。周りに誰もいなかったこともあってか、とっさに雅子さまを助けられたのでしょう。ちょうど木々の間からおふたりが見えて、その瞬間に望遠レンズで捉えました。

 おふたりが様々な困難を乗り越え、2001年に愛子さまがお生まれになったのは本当に喜ばしいことでした。愛子さまがまだ1歳になる前の02年8月、那須の沼原湿原で初めてご一家でハイキングをされたご一家は幸せそうな笑顔に包まれています。

天皇が愛子さまをベビーキャリーでおんぶされて

 このとき、陛下がベビーキャリーで愛子さまをおんぶされたのも話題になりました。実は、私が男性皇族がベビーキャリーを使っているのを見たのは初めてではありません。1度目は「ヒゲの殿下」の愛称で知られる寬仁さまです。軽井沢の別荘で、長女の彬子さまをベビーキャリーでおぶわれていました。陛下がどのようにベビーキャリーを知ったかは分かりませんが、散策に便利だと思われて、お使いになられたのでしょう。

雅子さまが声を出して飛びきりの笑顔を見せた日

 雅子さまの飛びきりの笑顔を撮影できたのは、2003年4月に全国「みどりの愛護」のつどいで兵庫県の淡路島を訪問されたときでした。メイン会場で式典が開かれている間、私は地元の名産品などを展示する別会場にいました。女性週刊誌のカメラマンはお人柄が伝わるショットを狙うので、式典などは撮らないこともあります。

あわせて読みたい

「皇室」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    バレてる? ポルノサイト閲覧記録

    島田範正

  2. 2

    韓国大使に一喝 河野外相を称賛

    一般社団法人日本戦略研究フォーラム

  3. 3

    N国代表の崎陽軒謝罪 見事な戦略

    かさこ

  4. 4

    N国「ひとり放送局」詐欺行為か

    文春オンライン

  5. 5

    ネガティブ禁止 仕事増えるSNS術

    倉持由香

  6. 6

    韓国人識者 日本経済に勝てない

    NEWSポストセブン

  7. 7

    中国より挑発的な韓国の軍事行動

    木走正水(きばしりまさみず)

  8. 8

    別荘5億円 外国人が激増する町

    BLOGOS編集部

  9. 9

    新生銀行 売出価格は1株1387円

    ロイター

  10. 10

    埼玉県知事選の流れはほぼ決まり

    早川忠孝

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。