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華々しい公務デビューの新皇后・雅子さま 「祈り」受け継ぐ

愛知県で行われた式典で植樹をされた雅子さま(6月2日、撮影/JMPA)

重い装束をお召しになった雅子さま(5月8日の「期日奉告の儀」)(写真/宮内庁提供)

トランプ大統領夫妻を招いた晩餐会では、おふたりが和やかに会話される場面も見られた(時事通信フォト)

 新しい皇后に即位された雅子さま。アメリカのトランプ大統領来日時には、元外交官という能力を生かし、トランプ夫妻と流暢な英語で言葉を交わすなど、高い外交スキルで国内がいいインパクトを与えた。

【写真】重い装束をお召しになった雅子さま(5月8日の「期日奉告の儀」)

 ただ、それだけであれば、雅子さまはひとりの「優秀な外交官」に過ぎない。日本の天皇家が連綿と続けてきた、神々への感謝と国家国民の安寧への「祈り」こそ、「日本の国母」たる皇后の至高の務めだ。

 皇后が「日本の国母」と称され、国民から敬愛されてきたのは、かつて美智子さまが《陛下のお側にあって、全てを善かれと祈り続ける者でありたいと願っています》(1994年6月、60才の誕生日文書)と綴られた通り、天皇家の「祈り」によって国民の喜びや悲しみに寄り添われてきたからだろう。

 その「祈り」を体現するのが「宮中祭祀」である。

「雅子さまは結婚前のキャリアが生きる皇室の国際親善など公務の場面では、皇后として華々しいスタートを切られました。とはいえ、まだ療養中のお体です。伝統的な所作が求められる、霊的な行事である宮中祭祀に、どれだけ雅子さまが取り組まれることができるのか、不安視する声は少なからずあります」(皇室記者)

 宮中祭祀とは、皇祖神である天照大神が祀られる「賢所」、歴代天皇・皇族が祀られる「皇霊殿」、あらゆる神々が祀られる「神殿」からなる宮中三殿で行われる祭儀のことだ。端的に言えば、国家と国民の安寧と繁栄、そして世界平和を祈られるもので年間20件ほど行われる。たとえば、今年11月14、15日にかけて行われる「大嘗祭」の中心儀式「大嘗宮の儀」もその1つだ。

 かつては国家的行事だった宮中祭祀だが、戦後は皇室の私的行事とされ、国民にその内容が知られることはなくなった。しかし、森深い皇居の奥で、神聖で神秘的な祭祀が、昔と変わらない形で連綿と続いているという。

 美智子さまは2013年、79才の誕生日文書で、宮中祭祀に触れ、《前の御代からお受けしたものを、精一杯次の時代まで運ぶ者でありたいと願っています》と覚悟を述べられた。

 美智子さまが「次の時代」まで運ばれた「祈り」だが、皇太子妃時代の雅子さまは出席されないことも多かった。療養に入られて以降、雅子さまの宮中祭祀の機会は、当時の皇太子さまとともに、両陛下の名代を務められる場合などに限られてきた。

 これまで雅子さまは、「海外生活が長い合理的なキャリアウーマンなので、宮中祭祀という“神事”がなかなか理解できない」とされてきた。

「宮中では生理のことを“まけ”といい、まけの期間は血の穢れという概念から宮中祭祀にかかわれないとされます。雅子さまは頻繁に生理のチェックをされるため、ご負担に感じられたといわれてきました。また、着替えや、全身の清めもすべてを女官の手に任せる『潔斎』を嫌っているという指摘もありました」(皇室ジャーナリスト)

◆装束すべて含めると15kgを超える

 しかし、ある皇室関係者はその見方を明確に否定する。

「雅子さまは美智子さまから充分に『祈り』の重要性を受け継いでいらっしゃいます。とにかく宮中祭祀は肉体的負担があまりにも大きい。特に女性皇族である雅子さまにとって、そのご負担は尋常ではありません。病気のお体で務められるほど、宮中祭祀は生半可なものではないのです」

 皇室関係者が続ける。

「女性皇族は、男性皇族より1時間ほど前に皇居に入り準備され、潔斎をされた後に、簡素な部屋で着替えられます。加えて、側頭部を大きく膨らませた『おすべらかし』のかつらを装着します。それだけで相当に重いのですが、古式ゆかしい装束が負担をさらに大きくする。何重にもなった着物を、多くのひもで結び、身にまとわなくてはなりません。衣装だけでも10㎏以上、装束すべて含めると15kgは優に超えます。

 しかも、着物やひもは、ご本人は一切、触れてはいけない。身支度をすべて女官に任せなければいけません。

 一般的な和装もそうですが、男性よりも女性の方が、身につけるものが多く、ずっと重いのが実情です。こうした出で立ちで宮中三殿をまわり、拝礼される。肉体的な負担は想像を絶するものがあります。

 それだけの大きな負担である宮中祭祀をこなされてきた美智子さまが、宮中の儀式を知る関係者たちをして『超人的』と言わしめた所以です」

 それほどの覚悟で臨まれた美智子さまでさえ、2009年に左膝の靱帯を傷められると、宮中祭祀を欠席せざるを得ない事態に見舞われた。テニスを再開されるほどに膝が回復されても、無念ながら宮中祭祀は諦めざるを得ない。それほどに女性皇族にとっては肉体的負担が大きいものなのだ。

 そんな宮中祭祀が療養中の雅子さまにとって、どれほどの重荷になるかは想像に難くない。かつては「美智子さまは、宮中祭祀に臨まない雅子さまに否定的」という一部の報道があった。しかし、実際は真逆だ。

「美智子さまほど、女性皇族にとっての宮中祭祀の過酷さを知る人はいません。雅子さまに対しても『無理はいけない』という立場を貫いてこられました。

 陛下も皇太子時代の’06年の誕生日会見で宮中祭祀の大切さについて触れた後、『雅子が携わるのは、通常の公務が行えるようになってからということになると思います』と明言されました」(宮内庁関係者)

 雅子さまは昨年12月、皇太子妃として最後に迎えられた誕生日に公開された文書で、《これからも両陛下のお導きを仰ぎつつ、少しでも皇太子殿下のお力になれますよう、そして国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研鑽を積みながら努めてまいりたいと思っております》と表明された。上皇上皇后両陛下が大切にされてきた祭祀への思いも当然、その中に含まれるはずだ。

「実際、雅子さまがご病気で祭祀に出席することができない期間にも、たとえば歴代天皇の節目の式年祭の時には、各天皇のご事蹟(功績や業績のこと)のご進講を受けられるなど、祭祀に臨む準備やお心づもりを続けられてきました」(前出・皇室関係者)

 雅子さまは着々と宮中祭祀の「後継者」としての準備を整えられてきたのだ。あとは、お体がそれに耐えられるかどうかだろう。

※女性セブン2019年6月20日号

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