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選挙に勝つため国益を弄ぶ安倍首相の見識

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「首相自ら解散風をあおるかのような発言は異例」

6月1日付の朝日新聞が「首相『風』発言 解散権をもてあそぶな」との見出しを付けた社説を書いている。その書き出しが実に手厳しい。

「国民の代表である衆院議員全員をクビにして民意を問い直すという『解散』の重みをわきまえぬ、不見識極まる発言だ。ウケ狙いの軽口と見過ごすわけにはいかない」

「不見識極まる発言」「ウケ狙いの軽口」と攻撃するところが、安倍政権を毛嫌いする朝日社説らしい。

朝日社説はさらに批判する。

「首相自ら解散風をあおるかのような発言は異例である」

「解散を判断する立場にありながら、『きまぐれ』とか『コントロールできない』などと、人ごとのように語るのも無責任だ」

朝日社説も沙鴎一歩と同じ見方のようである。安倍首相発言は明らかに誘い水なのだ。

ただし、安倍首相は「人ごとのように語った」のではなく、ぼかして発言しようとしてぼかし過ぎてしまったのだろう。それゆえ「人ごと発言だ」と朝日社説に糾弾されるのだ。要は、安倍首相の表現力が不足しているのである。

解散は党利党略だからこそ「大義」が求められる

続けて朝日社説はこうも書く。

「首相は12年末の政権復帰以降、14年11月、17年9月と2度にわたり、野党の虚を突くかたちで解散に踏み切り、与党が大勝した」

「衆院議員の任期を2年以上残し、腰を据えて取り組むべき課題も山積している今、党利党略優先の解散をまたも繰り返そうというのか」

「野党に対する牽制や政権与党内での求心力の維持など、さまざまな思惑があるのだろうが、解散をもてあそぶのは、いい加減にやめて、国会論戦や政策づくりに集中すべきである」

沙鴎一歩は朝日社説の見解とは違う。まさに解散は党利党略なのである。だからこそ、かたちのうえでの「大義」が求められるのだ。

朝日社説は「解散をもてあそぶな」と主張するが、解散総選挙によって民意を問うことができる。そこが解散のいいところだ。

安倍首相は日米貿易交渉を「選挙の材料」に使っている

東京新聞(5月28日付)の社説は、トランプ大統領の来日にともなって27日に行われた日米首脳会談について「なぜ選挙のあとなのか」との見出しを付け、こう主張する。

「あまりに露骨、横柄な物言いではないだろうか。日米の貿易交渉妥結は参院選挙後までずれ込む見通しという。人々の暮らしを大きく左右する交渉である。選挙の材料に使ってはならないはずだ」

安倍政権はアメリカと貿易交渉で妥結すると、日本の国民に大きな負担が生じることになると判断している。だから妥結を後回しにしたのだ。東京社説が指摘するように、安倍首相は日米貿易交渉を「選挙の材料」に使っている。

安倍首相は「選挙が近い。その選挙に影響を与えたくない。貿易交渉の妥結は選挙後にしてほしい。その代わりに見返りを用意する」とトランプ氏と何らかの密約を結んだ可能性がある。

安倍首相は夏の選挙に勝ってさらに地盤を固め、悲願の憲法改正を実現したいのだろう。ならば安倍首相に聞きたい。選挙や憲法はだれのためにあると考えているのか、と。

(ジャーナリスト 沙鴎 一歩 写真=AFP/時事通信フォト)

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