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まだまだ後進国の日本

留置場で医師死亡 暴行で告発の警察官は不起訴 遺体の鑑定書見た法医学者ら申し立て
2019年6月5日 読売テレビ

 勾留中の医師を暴行し、死亡させたとして、告発された奈良県警の警察官が、不起訴処分になったことを受け、法医学者らが、起訴を求め検察審査会に申し立てた。

 検察審査会へ申し立てをしたのは、勾留中に留置場で死亡した男性医師の遺体の鑑定書を調べた法医学者ら。

 亡くなった塚本泰彦医師は、9年前、必要のない手術で患者を誤って死亡させたとして逮捕され、その後、留置場で病死したとされている。しかし、遺体の鑑定書を調べた法医学者が、死亡の原因は「取り調べ時の警察官からの暴行」として、奈良県警を刑事告発。

 これに対し、奈良県警は「告発にあたる事実はない」とし、奈良地検が、今年4月、取り調べを行った警察官2人を不起訴処分にした。

 遺体の鑑定書を調べた岩手医科大学の出羽厚二教授は「普通の人はこれは、何か殴られたんだろうと考えると思います。まだまだ、隠されているものがある」と話している。

 また、遺族は「なぜ、このような外傷ができたのかを明らかにしてほしい」と話している。

取り調べ後に死亡の男性 神奈川県警結論「押さえつけたためではない」

産経新聞
2019年6月4日

 神奈川県警捜査1課は4日、県警麻生署が器物損壊容疑で5月19日に逮捕した後、取り調べ中に意識不明となり、1日に死亡した大学4年生の男性(21)=川崎市麻生区=の司法解剖を行った結果、「死因は警察官が押さえつけたことによるものではない」と結論付けられたと発表した。

 同課によると、司法解剖では死因は明らかになっていないが、死因につながる外傷や窒息などは確認されなかったといい、同課は今後も死因の究明などを進める。また、警察官の対応が適切だったかどうかも含めて捜査を継続するという。

 男性は5月19日午後6時25分ごろ、同区内の路上で、普通乗用車のフロントガラスを破壊するなどしたため、現行犯逮捕された。その後、署内で暴れたため、複数の署員が取り押さえた上で取り調べを行っていたところ、突然心肺停止状態となり、搬送された病院で意識不明の状態が続いていたが、1日午後3時ごろ、死亡が確認された。

日本の刑事司法はいまだに自白に頼った捜査を行っている。江戸時代のままだ。自白さえあれば、有罪にできるので、科学的証拠も重視していない面がある。法医学が発展しなかったのもそうした影響があると思われる。予算はかからないという面では利点はあるのだろうが、冤罪や犯罪見逃しが起きるわけで、そろそろ近代化すべきだろう。

その意味では捜査の可視化は転機にはなるだろう。とはいえ、すべての事件が完全可視化の対象となるわけではないので、まだまだといえる。殺人事件などの重大事件でも、最初の段階では軽微な犯罪でしょっ引いて、任意出頭扱いで取り調べをすれば可視化の対象にはならない可能性がある。その間に何が起きるか、相変わらずブラックボックスでは改善したとはいえないだろう。

取り調べ中に亡くなる被疑者は毎年多数いる。多くは病死として処理されるのだが、これでいいのだろうか。米国の監察医に話を聞いたところ、暴れる犯人を警察官が取り押さえている最中に犯人が不整脈で亡くなった場合、米国では病死にせず、他殺(Homicide)扱いにするとのことである。それで警察官が刑事告発されることはないそうなのだが、それによって同種の死に方を防ぐ方向には向かっていくので、それはそれで合理的なやり方のように思う。

日本の場合、暴れる犯人を取り押さえた際に犯人が死亡した場合、もれなく病死扱いとなる。これでは今後も対策が取られないことになりかねず、また同じ死に方をするものが出てくる。かなりの数の方が、まったく同じ死に方(暴れているところをうつ伏せ状態で取り押さえていたら死んでいた)で毎年死んでいるわけで、そろそろ何らかの対策を立てるべく、事例を集積するなどの工夫もしてもらいたいものだ。

コロナー制度のあるイギリスでは、暴れる犯人については頭を下にするような体位で抑え込んではいけないとされているというが、こうしたいい面は真似をすべきだろう。警察官も望んでやっているわけでもないのだし、対策さえあれば、警察官も心に傷を負わずに済むかもしれないのだし。

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