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「近づく無人運航船の時代」―2040年の経済効果1兆円―

人工知能(AI)などデジタル技術の発達に伴い産業全体の自動化・無人化が進み、最近は自動運転車の開発が関心を集めている。無人化の動きは船員減少が深刻化している船の世界も同じ。日本財団が夏野剛慶応義塾大特別招聘教授を座長とする委員会を立ち上げ無人運航船の将来像を検討した結果、20年後には1兆円に上る経済効果が生まれるとの将来予測がまとまった。

研究結果は「Future2040 無人運航船がつくる日本の未来」にまとめ、4月18日、東京・赤坂の日本財団ビルで開催された無人運航船セミナーで発表された。報告書ではまず、少子化に伴う人口減少が進む中、AI技術の発展に伴い人手不足への対応、労働環境の改善に向け幅広い分野で無人化・自動化が進むとしている。

その上で、内航海運や内陸水運を中心とした国内の船舶に関しても
①2025年には新たな建造船が順次、無人運航仕様になる。
②30年には現存船に無人化のための機器が取り付けられ順次、無人運航に移行する。
③40年にはすべての建造船が無人運航仕様となり、国内を走る船の50%が無人運航船になるーの3段階のシナリオを想定。将来の内航海運の姿を「通常の運航はほとんどをAI(人口知能)が行い、整備のための技術者が定期的に乗船する以外は無人。重要部分の最終判断は陸から人が遠隔で行う」
としている。

国内には約4000の港があり、17年現在、4300隻に上る貨物やフェリーなど様々なタイプの船が活動している。今後、デジタル技術の発達に伴う無人航空機やドローンなどとの連携で陸海空が一体となった新たな物流が拡大し、専門スタッフなど新たな需要が増加。首都圏の水上輸送を例に取ると、17年現在270便の運航便数は40年に1万8250便、乗船客数は2400人から35万人に増え、これに伴う全体の経済効果は1兆円に上ると試算している。

セミナーでは、ノルウェーで22年にも完全自立型コンテナ船の運航が予定されているほか、フィンランドでも完全自立運航フェリーの実証が進められるなど、北欧の取り組みが世界に先行している現状も報告された。残念ながら日本の取り組みは北欧に比べ遅れており、実用化に向けた実証実験、関連する法制度の整備、データセキュリティーなど今後の課題も多い。セミナーではこうした実態を受け「スピードを持って変化に対応するためにも、日本財団としても音頭をとっていきたい」と挨拶した。

セミナーには多数の関係者が詰め掛けてくれた

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