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朝日新聞、日本は非民主国家

天安門広場を警備する警察 出典:pxhere

古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)

「古森義久の内外透視 」

【まとめ】

・ポンペオ国務長官は天安門事件と中国の1党独裁体制を批判。

・朝日、天安門事件と首相面会記録不作成を同一のものとし記事掲載。

・弾圧国家中国と日本が同質という発想持つジャーナリストの適性疑う。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46165でお読み下さい。】

中国共産党政権の過酷さと非人道性をみせつけた天安門事件の30周年記念日の6月4日、世界各地で同政権への改めての抗議集会が開かれた。各国の政府や民間団体からも中国政府がこの事件をなお隠蔽することへの非難も表明された。

なかでも目立ったのはアメリカのトランプ政権のマイク・ポンペオ国務長官の言明だった。同長官はトランプ政権全体を代表する形で6月3日、以下の声明を発表した。

「中国の1党独裁態勢は異論を認めず、その利益にかなうとみれば、いつでも人権を侵害する」

「中国を国際システムに組み入れれば、より開かれた寛容な社会になると期待していたが、その希望は打ち砕かれた

ポンペオ長官は以上の声明とは別に、中国政府に対して事件の真相を明らかにし、犠牲者の人数や身元をも開示することをすでに要求していた。この再三の天安門事件に関するトランプ政権の抗議は同政権が現在の対中政策でも天安門事件を重視し、中国政府の人権蹂躙に批判の目を向けている事実を明示していた。

▲写真 マイク・ポンペオ国務長官 出典:在スロバキア米国大使館

日本の各メディアでも天安門事件30周年の回顧報道が盛んだった。だが欧米諸国や香港、台湾のメディアにくらべると、その非難の度合いはずっと低い。マイルドなのだ。日本の政府も天安門事件に関していまの中国政府に正面から抗議をぶつけるようなことはしていない。日本こそ人権意識が希薄なのだといわれても反論できないだろう。

そんな日本のメディアのなかでびっくりするような反応があった。朝日新聞6月4日夕刊一面の「素粒子」というコラムだった。以下のような記述があった。

「歴史は消せない。忘れたい過去にも向き合ってこそ、国家の歩みは正統性をもつ。中国・天安門事件から30年。

日本も胸を張れぬ。首相の面談記録を官邸が作っていない。検証不能、歴史と未来に責任を持たぬ非民主的国家。

さて以上の文章をふつうに読めば、中国も日本も同じ非民主的国家だと非難し、揶揄していることは明白である。だが中国と日本が同じだなんて、あまりにも常軌を逸した認識だろう。天安門広場での、みずからへの民主化の運動を武力で弾圧し、一般の国民を大量に殺す。しかもその非を認めず、悪いのは非武装の自国民だったと断じる。そして弾圧や殺戮の事実を否定し、一切の記録を消してしまう。さらには国内でその弾圧を提起する自国民をまたさらに弾圧する。

こんな中国政府の行動に対して、「日本も胸を張れぬ」というのだ。なぜなら「首相の面談記録を官邸が作っていない」からだという。この手続き上の一事をもって、日本政府も中国政府と同じ独裁の非民主的国家だと断じているのだ。

冗談ではない。日本は立派な民主的国家である。国民には政権を批判する自由がある。政府の長の悪口雑言を述べて、その辞任を求める自由がある。政権与党に各野党が挑戦する自由がある。そもそも一般国民が選挙で政府を選ぶ自由がある。

▲写真 「ジャーナリスト宣言」と題して続けていた自社宣伝キャンペーンのバナー。出典:Flickr; MIKI Yoshihito

一方、中国の共産党政権は日本では自明の理である人間の基本的な自由を認めていない。

国民を無差別に殺しても責任を問われない。問おうとする国民を抹殺してしまう。そんな邪悪な独裁態勢の露骨な症状が天安門事件だった

だが朝日新聞は日本に総理の面談記録がないから、わが日本はこの非道な弾圧国家の中国と同じなのだという。日本は歴史と将来に責任を持てないのだという

なにをかいわんや、である。こんな病んだ発想をして、自分の国を貶める人物が自分と同じ日本の新聞記者だとか、ジャーナリストだと称していることを恥ずかしく思ってしまう。

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