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フリーターを理解する

サラリーマンとして毎日通勤し、仕事をし、帰宅して寝る、そんな生き方をしたくない。この気持、より理解できる。僕はその普通のサラリーマンとして29年間生活したから。

そのようなサラリーマンの後、自由度の高い大学の教員に転じた。今はある意味、フリーターである。どんどん自由度を得て、好きなことだけをやる状態に近づいている。もっとも、どこまで行っても義理人情を完全に振り切るわけにはいかないが。

普通のサラリーマンのどこが、本来の人間としての生き方に反しているのか。理由は単純である。好きな仕事、好きな行動ではないからである。一方、好きな仕事でも未熟であれば、熟練度を高めなければならない。このことと、「好きな仕事ができていないこと」とをとり違えてはいけない。

僕の場合、サラリーマンとして好きな分野に配属されるという幸運を得た。その幸運を手放さないため、勉強もしたし、他流試合も(自主的ではなかったものの)やってきた。その結果、専門分野でもある程度通用する能力を得たのだと思う。

それを活かし(さらに追加の幸運にも出会ったのだが)、大学という普通のサラリーマンよりも自由度の高い職業に転じることができた。給与水準は下がったが、好きな仕事に近づいたから、また、低くなったとはいえ生きるに不足しない給与を一応は得られたから、仕方ないだろう。

好きな仕事に就ける率を高めるためには、学生時代にちゃんと勉強をしておかなければならない。勉強さえしていれば、嫌な仕事に回されたとしても、転職のチャンスが一度や二度は必ず巡ってくる。

企業もまた、専門能力が潜在的に高い人材を雇用するよう(雇用できるよう)、人事制度を変えなければならない。さらに言えば、今どき、特定の企業に忠誠を誓う人材なんて、きわめて嘘っぽい。能力が不足するから、何にも興味を持たないから、企業にしがみつくのかもしれない。フリーター的、移り気な人材でもいいから、100%能力を発揮してくれる者に仕事をしてもらうべきである。

ついでに、高齢者を雇用させようという政府に対して一言。高齢者を働かせ、労働者不足を補おうという発想は本末転倒である。本来は、高齢者が働きたいと思う仕事と職場を作るべきである。高齢者こそフリーター的に仕事をし、人生を楽しみたいという最たる人種だからである。

さらに言えば、人生は逆算だと考えていい。楽しく生きるためには、老後には資金が必要である。その資金のために、老後になる前に好きな仕事をたんまりして、稼がなければならない。では、好きな仕事をするにはどうすればいいのか。結局は若い時代に勉強をし、修行(訓練)をし、自分自身の能力を高めなければならない。この若い時代が一番苦しいだろう。

裏返せば、勉強や修行という苦しい時代を経験せずに、ずっと楽しく仕事をし、その後に豊かな高齢者として生活することは、余程の幸運か、余程の才能に恵まれなければならない。普通の者として、この点を見誤り、目を逸してはならない。

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