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自暴自棄の人やひきこもりを相談窓口が助けられるという藤田孝典氏の幻想〜田口ランディ氏の記事に学ぶ

「福祉課の職員に連絡するなんて、なんでそんなひどいことをするんだ!」という怒りのメールが来た。
「福祉課の世話にだけは死んでもなりたくない」
https://note.mu/randyt/n/n428555ce59f9

ひきこもる友人の窮状を見かねて、福祉課に連絡したランディ氏。
福祉課が定期訪問してくれるというので安心していたら、その友人は部屋で衰弱死したという。

藤田孝典氏が川崎殺傷事件で「一人で死ぬなと書くな」というなんの因果関係もない記事をはじめ、元農水事務次官の長男殺害事件については、「ひきこもりに苦しみ、悩む人々や家族にとって相談窓口や機関は多数ある」といったように、犯罪予備軍やひきこもりの人や死にたいと思っている人は助けられるという主張が根底に流れているように思うが、ランディ氏の記事をみると相談窓口の人が敵に見えるという重大な事実を藤田孝典氏は見逃しているように思う。

ランディ氏は「福祉行政側は、自分たちが「たてこもっている人の敵」なんて思ったこともないだろうけれど、一度はそういう視点に立ってみるのもいいんじゃないかなと思う」としめくくっているが、藤田孝典氏の一連の記事がことごとく違和感だらけで正論ながらもなぜか大きな的外れ感があるのは、ランディ氏の指摘することが抜け落ちているからだろう。

相談窓口はいくらでもある。
それで助かる人もいるだろう。
でも事件になるような人は相談窓口など敵なのだ。
助けてやろう、あなたは生きている価値があるなどという人間は敵なのだ。

そこまで追い詰められているから事件になるわけで、そこまで追い詰められた事件についてまるで相談窓口に相談してくれれば防げたといわんばかりの藤田孝典氏の主張は、現実性にかけるからこそ多くの人が違和感を持つ。

相談窓口で「助けられる」人は事件などにはならない。

事件になるのはそこからこぼれおちる人たちで、ランディ氏の事例でもあげられているように、むしろ相談窓口に相談したことで悪化し、場合によってはそれが原因で死に至らしめることもあるという自覚を相談窓口側が持っているのか。

藤田孝典氏の文章にはそうしたことがまるでない。
だから、藤田孝典氏の一連の記事は正論じみているけど荒唐無稽感が出てしまうのだろう。

相談窓口があることで1万人中9999人を助けられても、1人助けられなければその人がとんでもない事件を起こす。

どんなにがんばろうとも100%助けられるわけではない限り、ごくわずかな異常者に対して冷静な呼びかけや相談窓口があるとか、あなたは生きている価値があるなんて言葉は無意味なんだよ。
むしろ逆効果になる場合すらある。

そのことを理解した上で、でも9999人助けられるなら1人の異常者が出ても仕方がないとわりきることが必要で、1万人に1人なのか100万人に1人なのか、事件を起こすような人には相談窓口ではなくまったく別のアプローチでない限り、事件は防げないのではないか。

だからこそ元農水事務次官の長男殺害事件について、元農水事務次官が殺人を犯したにもかかわらず、元農水事務次官に同情し未然に無差別殺人を防いだかもしれない行動だったのではという「理解」を示す人たちもいるのではないか。

相談窓口は万能ではない。
むしろ相談窓口のせいで悪化したケースもある。
相談窓口からこぼれおちる異常者に対して、ただ相談窓口に相談してくれではなんの解決にもならないのではないか。

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