- 2019年06月04日 09:42
キヤノンの群衆人数カウント、6,000人もの人数を瞬時に推定。AI技術をマーケティングやセキュリティに
2/2セキュリティやマーケティングにも。事例から見る群衆人数カウントの活用範囲
――どのような活用事例がありますか?
――石田
「人が密集する駅や空港、イベント会場、市街地などへの活用が考えられます。
混雑状況を把握して、事故を未然に防ぐ目的で使われることから、警察関係者や警備会社系のお客様からのお問い合わせが多いですね。
マーケティング観点では市街地のまちづくりをサポートしたり、施設の誘致を支援したりするために群衆のデータを利用できます。マーケティングへの活用価値は高いので、これからさらに活用の可能性は広がっていくと思います」
特に日本の都市部は人口が密集しており、AIを用いた群衆人数カウントは日本社会に大きく貢献する技術だろう。
さらに注目したいのは、これらの処理がリアルタイムに行えることである。数千人規模の混雑をリアルタイムにカウントできる。人数が一定の基準を超えたらアラートを発報するなどの設定も可能だ。国際的なスポーツイベントでも危惧される会場周辺の警備をより強固なものにしてくれるだろう。
次にマーケティング活用にも注目したい。これまでPOSデータなどでは、購入者のデータしか取得できなかった。群衆人数カウントを使えば、購入に至らなかった人も含め、実際に訪れた人数を時間帯別に把握可能だ。人数推移を分析することで、キャンペーンの開始や、人員強化などを適切な時間に行い、販売効率の最適化に貢献できる。
キヤノンの今後の可能性。AIを用いて社会課題解決に取り組む
――今後の展望は?
――石田
「キヤノンは、あらゆる現場で得られる映像に付加価値を与え、社会のさまざまな課題を解決することを目指しています。
今回の群衆人数カウントのほかにも、サポートが必要な人を早期発見する白杖・車いす検知の技術や、病室などに一人でいる際の転倒を検知する技術など、AIを用いてさまざまな技術を開発中です」
群衆の人数をカウントする技術も、カメラ越しの問題を検知する技術も、それぞれ何かしらの社会課題に対してソリューションを提供している。映像に付加価値を与えるというキヤノンの取り組みは、今まで映像には残っていたものの見過ごされてきた社会課題に対してうまくアプローチできるはずだ。
――石田
「安心・安全の実現はもちろんのこと、人手不足などの社会変化に対しても、利便性や快適性の向上、業務の効率化に役立つソリューションを提供し、キヤノンのソリューションで世の中に貢献していきます」

by 田村 宣太
幼少期から海外を渡り歩き、さまざまな文化に触れながら育つ中で『価値のある情報を活かせる場に届ける』ことに興味を持つ。専門はマーケティング領域だが、その領域で活きるテクノロジーに関しても高い関心を寄せている。



