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アングル:トルコ、ロシア兵器購入で米制裁ならリラ安再燃も


Jonathan Spicer

[31日 ロイター] - トルコはロシア製ミサイル防衛システム「S400」の購入を巡り、米国から制裁を科される恐れに直面している。

数週間中に解決策が見つからなければトルコと米国の制裁合戦に発展し、通貨リラはさらに下落、経済は悪化し、北大西洋条約機構(NATO)および中東地域におけるトルコの立場にも疑問が生じかねない。

オックスフォード大の客員講師、ギャリップ・ダレイ氏は「米国側もトルコ側も、この問題の背景により大きな地政学上の綱引きがあると見なしているため、解決は一筋縄ではいかない。制裁が発動されればトルコに甚大な影響が及ぶだろうが、ただし、それを機に対米関係が断絶することは恐らくないだろう」と話す。

S400購入計画を巡る両国間の小競り合いは、数カ月前から続いている。米国側は、購入がNATOの枠組みと相入れないと批判しているのに対し、トルコは、領土の防衛は同盟国への脅威にはならないしNATOの義務をすべて果たしているとの立場だ。

米国は現在、トルコその他の中東諸国に対し、イラン産原油の輸出阻止などによって同国を孤立させるよう圧力をかけている。「米国がひどい制裁を科せば、トルコは米国の対イラン制裁を順守する決定を考え直す可能性がある」とダレイ氏は言う。

S400は早ければ7月にもトルコに到着する可能性があり、予定通り到着した場合、米議会は最新鋭ステルス戦闘機「F35」のトルコへの出荷を阻み、F35の生産から同国企業を排除する措置を検討中だ。

またS400が出荷されれば、トランプ米大統領は「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」に基づき、12の制裁措置の中から5つを選ぶ義務が生じる。

制裁の選択肢は、ビザの発給禁止や米輸出入銀行へのアクセス禁止から、米金融システムとの一切の取引阻止や輸出認可取り消しといった厳しい内容に至るまで幅広い。

これまで両国とも、CAATSAに基づく制裁の発動を避けたい意向を繰り返し表明してきた。トルコはロシアとの取引は「決定事項」だと言い続けてきたが、仮にS400の出荷延期に同意なら、トランプ氏がエルドアン・トルコ大統領に購入を翻意させる道が開かれる。

両国は29日、大阪で6月28─29日に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合の際に首脳会談を行うことで合意した。

トランプ氏は当初、より穏健な選択肢を選んで時間を稼ぐ可能性もある。

しかし米国の制裁が発動すれば、それがどんな種類であれ、トルコの通貨リラは急落しそうだ。リラは米・トルコ関係の悪化を一因として、今年に入って対ドルで14%下落している。

格付け会社ムーディーズは今月、トルコの政治リスクは「高い」とし、S400購入によって米国だけでなくNATOからの制裁を招きかねないとの見通しを示した。

トルコはこれまで、外国からの制裁や関税に同種の対抗措置で応じてきた歴史がある。

カーネギー・ヨーロッパの客員講師、シナン・ウルゲン氏は、制裁を巡る対立が関税へとエスカレートし、米ロッキード・マーチン<LMT.N>のトルコ企業との取引に悪影響が及ぶだけでなく、トルコが既に保有しているF16戦闘機の将来的な更新さえ危うくなる、と指摘。「米国がトルコとの対立を激化させる道に進むなら、より厳しい制裁が待っているだろう」と語った。

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