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相続税対策 最悪なのは聞きかじった知識で不要の対策し失敗

相続の準備は綿密に

円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏

 40年ぶりとなる民法改正によって、この7月から遺産相続を巡るルールが大きく変わる。大改正を目前に、2015年の課税強化以降、活況を呈していた税理士をはじめとする専門家の「相続対策セミナー」に、さらに多くの人が集まっているという。大人気のセミナーではどんな「質問」が出て、どういった「正解」が示されるのか。行列のできる相続セミナーで講師を務める円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏がずばり回答する。

【写真】円満相続税理士法人代表で税理士の橘慶太氏

【質問】

〈うちも相続税対策を考えたほうがいいのでしょうか?〉

【回答】

〈まず財産の総額を確認しましょう。総額が「基礎控除」の範囲内なら相続税対策は必要ありません。ただし“相続対策”は必要です〉

 最初に確認すべきポイントは、財産総額と法定相続人の数だ。

「故人の財産総額から基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を引いた金額に税率をかけて、相続税の額が決まります。たとえば法定相続人が妻と子供2人の3人の場合、基礎控除額は4800万円。財産がこの額を上回ると相続税が発生するため、節税対策の検討が必要になります」(橘氏、以下「」内同)

 対策は生前に相続財産を減らしておくことが基本だが、落とし穴が多い。

「相続税対策で不動産投資を始める方がいますが、素人が焦って手を出し、かえって損失を出すケースが多々あります」

 財産が基礎控除の範囲内なのに、聞きかじった知識で必要もない節税対策に走り、失敗するのが最悪のパターンなのだ。

 一方で、財産が少なくて相続税は関係がなくても、相続トラブルが起きる可能性はある。司法統計年報によると、全国の家庭裁判所で調停が成立した相続トラブルのうち遺産額1000万円以下が32%、ほぼ相続税のかからない5000万円以下まで含めると75%に達する。

「たとえば親の資産の大半を持ち家が占め、預貯金が少ない場合などは、自宅の処分を巡って子供たちが揉めがちです。財産が少なくてトラブルになるケースは多い。事前に親子で遺し方、分け方を話し合う、『相続対策』は絶対に必要です」

※週刊ポスト2019年6月14日号

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