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他人の説教

性差別に触れた上野千鶴子さんの祝辞 東大生6割強が「評価」(NHKニュース)

先月行われた東京大学の入学式で、社会学者の上野千鶴子さんが性差別などに触れ関心を集めた祝辞について、東京大学新聞社がネット上でアンケートを行ったところ、東大生の61%が「評価する」と答えた一方、25%が「評価しない」と答えました。

(中略)

アンケートでは、東大生以外の4300人余りも同じ質問に答えていて、「評価する」と答えた人は東大生より多い87.5%、「評価しない」とした人は8.6%となっています。自由記述では、「女性が向上心を持って行動すればするほど壁が高くやる気をなくす経験を代弁してもらった」など、社会人の女性を中心に共感する声が寄せられているということです。

 さて今年の東大の入学式では、どういうわけか上野千鶴子氏が祝辞を担当し、結構な話題になりました。アンケート母集団に偏りもありそうですが、「東大生以外」のアンケート結果では87.5%が「評価する」と回答したとのこと。大いに好評であったと判断できます。元よりタレント教授とまでは言わないまでも、アカデミックな領域より一般向けメディアでの活動で名声の高い上野千鶴子氏を起用したのは、東大なりの対外的なアピールの側面が強かったはず、大学側の狙いは果たされたと言えるでしょう。

 なお見出しでは”東大生6割強が「評価」”となっている一方で、その評価した割合は東大生「以外」に比べれば明らかに少ないわけです。東大生は、東大生「以外」の回答者よりも祝辞(というより上野氏の自説)を評価していないことが分かります。上野氏の割にはマトモなことを言っていた部分もあるように思わないでもありませんが、祝辞らしくなかったことは確かですね。

 「よい子」は、上から与えられたものには何でも肯定的な回答を返します。糞の役にも立たない精神論でも、研修と称した自衛隊への体験入隊でも、「よい子」は「役に立った」と回答するものです。それこそ「上の人」が求める正解ですから。逆に上から与えられた教えに反発するのは「悪い子」ですけれど、ただ地位のある人の説くことに疑問を持てるのは、自分で考えられる証拠でもあります。上野氏の「祝辞」に首をかしげる新入生には、別の見所もまたありそうです。

 なお「東大生」と「東大生以外」でアンケート結果に大きな差があるわけですが、母集団の偏り以外には、どういった理由が考えられるでしょうか。最大の要因は東大生が「自分に言われている」と受け止めているであろう一方で、東大生「以外」は「東大生に説教してやった」気分でいることだと思います。報道でも「~代弁してもらった」云々との回答が紹介されていますが、その辺の「自分の立ち位置」の違いが大きいのでしょう。

 世間の「東大生」への感情は様々です。肯定的な感覚もあれば、それをネガティヴに受け止める人々もまた少なくありません。将来的なエリート候補生ともなれば、色眼鏡で見られることも多いと言えます。そんな次世代のエリートが、祝われるはずの場で説教されている姿を見て、快哉を叫んだ人も少なくなかったのではないでしょうか。「自分たちが」注文を付けられて複雑な思いの東大生、一方で「東大生が」注文を付けられている姿に「評価する」と回答した部外者達――あまり気持ちの良い構図ではない気もしますね。

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