- 2019年06月02日 14:48
NHK受信料半額全世帯徴収 中谷一馬衆議院議員
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安倍宏行、Japan In-depth編集部(高橋十詠)
【まとめ】
・NHK受信料を全世帯から徴収することで、最大5割引き下げ可能。
・テレビ離れが進み、OTT(Netflix,Huluなど)が広がっている。
・NHK、民放、政府が協力し国民目線でどう世界に打ち勝つか考えるべき。
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NHKの番組のインターネット常時同時配信を可能にする改正放送法が5月29日参院本会議で可決・成立した。すでに実験的に一部の番組でネット同時配信を行ってきたNHKだが、今後、スマホでも番組をみることができるようになる。NHKは2019年度中にネット常時同時配信を始める方針だ。
こうした中、立憲民主党の中谷一馬衆議院議員が、放送法改正案及び令和時代におけるNHKの在り方について、受信料30%~50%OFF案を提唱している。NHK受信料を半額にする代わりに、全世帯から受信料を徴収するというものだ。放送法改正案と公共放送のあり方について石田真敏総務大臣、上田良一NHK会長等と衆議院総務委員会で質問をした(5月14日)中谷氏に詳しく話を聞いた。
■ 現在のNHKへの評価
NHKは「不祥事のデパート」と呼ばれるなど、ガバナンスに問題を抱えているのは衆目の一致するところだ。2004年に発覚したNHK紅白歌合戦の担当プロデューサーによる制作費の不正支出を皮切りに、さまざまな不祥事が明るみに出て、NHK受信料の不払いが加速したことは記憶に新しい。
こうした中、NHKは放送受信契約の未契約世帯に対する民事訴訟を次々と起こし、2017年に最高裁が、テレビがあればNHKと契約を結ぶ義務があるとした放送法の規定は「合憲」とする初めての判断を示し、事実上受信料の支払いが義務づけられた。
この判決を受け、受信料の徴取率は徐々に回復し、2018年度末受信料の推計世帯支払率は全国値で81.2%となり、2017年度末の79.4%から1.8ポイント増となった。NHKが5月14日に発表した2018年度決算の速報値では、受信料収入が7122億円に上り、2017年度に比べ3%増、5年連続で過去最高となった。
公共放送として国民に信頼される形で継続されるべきだと考えている中谷氏は、「どうすればこれからもNHKが、信頼され続けられる中立的で公平なメディアで在ることができるかを考えていく必要がある」と述べた。
そのために、「民間との関係性をうまくやっていかなければならない。国民にNHKに受信料を払ってでもこのメディアをみたいと思ってもらえるような努力をしていかなければならない。」との考えを示した。

■ 公共放送の受信料徴収の在り方
中谷氏は、テレビを所有している人たちから受信料を徴収する仕組みについて、フェアでないと考えており、「ファーストスクリーンがスマホになり、ネットでコンテンツを観る人が増えている。」と述べ、受像機を持っている人が払うという今の仕組みが時代に合っていないと指摘し、受信料を払う対象を拡げていくことも検討すべき、との考えを示した。現に諸外国でテレビやパソコンの有無にかかわらず全ての世帯から徴収する放送負担金制度が導入されているという。また、「公共放送の負担をどうフェアに分け合うべきかを、国民目線で考えていくべき。」と述べた。