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きっと日本酒ブームがいつかやってくる

日本酒の国内消費量は縮小の一途をたどっています。国税局の「酒のしおり」によれば、平成2年に1,422キロリットルあった出荷量が、平成12年には3割減の999キロリットル、平成22年にはさらに4割減の603キロリットルにまで落ち込んでいます。この20年で半減どころか、4割ちかくにまでなってしまったことになります。

もちろん日本酒に限らず、お酒の消費量が全体的に減ってくるのは、若い世代の人口減や飲み方の変化の影響を考えれば自然なこととしても、それを考慮しても日本酒の消費の落ちこみが大きいと感じます。


日本の伝統的な酒文化の危機といってもいい悲惨な状況です。

なにがそうさせているのでしょう。いくつかの理由があります。ひとつは一時の焼酎ブームは終わった感がありますが、市場を奪われたこともあるでしょう。ワインもブームが一段落し、消費量は落ち着いているとはいえ、食生活の洋風化によって、日本酒からワインへの流れも影響しているかもしれません。

しかしもっとも大きいと思うのは、日本酒については誤解でしかない悪いイメージが定着してしまったことと、それを覆すマーケティングを展開するほどの企業力をもったリーダーが不在だということだと感じます。

日本酒のイメージといえば

・悪酔いする
・二日酔いする
・キレが悪い、甘い、ベトベトする

などがありますが、ひとつにはそれぞれの好みとのマッチングの悪さがあるのかもしれません。

日本酒は悪酔いの原因となる雑味が少ないので悪酔いしづらいはずです。また二日酔いはたんに飲み過ぎの結果です。しかし、要は美味しいと感じる日本酒、好みと合った日本酒が飲まれていない、つまりいい出会いの機会がなかったということにすぎないと思います。

リーダー企業がないのは、日本酒のメーカーにしても蔵にしても規模が小さいのです。灘や伏見には全国に名の知られた大手酒造メーカーがありますが、しかし大手といっても、それは日本酒業界のなかでの話で、ビールなどとは企業規模では比較にならないほど小さいのです。

かつては全国に4000程度あった蔵も廃業するところが増えたとはいえ、それでも全国酒造蔵名簿2009年版によると1709蔵が収録されています。つまり小さな蔵が全国に散らばっている、それが日本酒の特徴です。

だから個性があります。使っている米の違い、水の違い、麹の違い、気候風土の違い、さらに杜氏の腕でそれぞれ微妙で繊細な違いが歴然とあります。繊細で微妙な違いのなかで切磋琢磨されている日本酒ほど高度な醸造酒は、世界のなかでも少なく、ワイン以上かもしれません。

だから、海外の日本食ブームに乗って、米国や韓国向けの日本酒の輸出量は伸びてきており、また中国や中東の富裕層向けの高級な吟醸酒はびっくりするようなプレミアム価格がつきはじめているといいます。素直に飲めば好まれるということでしょう。

古川国家戦略相は、日本酒や焼酎を「国酒」として海外へのPRを支援するとしていますが、おそらくネット販売などで買いやすい状況をつくればもっと伸びる可能性があります。
日本酒・焼酎は「国酒」、海外に展開…戦略相 : ニュース : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞) :

それよりは、やはり日本でもっと日本酒が好まれることでしょうが、サントリーのハイボールが一気にブームをつくったように何かがきっかけで火が付けば、グルメな日本の消費者にも、もっと受け入れられるようになるのではないかと思います。

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その鍵になるのはアルコール濃度のように感じます。日本酒も銘柄によってアルコール濃度は異なりますがりますが、一般的にはほぼ10度から20度弱です。一般に売られているワインとほぼ同じです。

低アルコールで日本酒の吟醸酒なみの香りや味わいの酒をつくることができれば、エントリーが容易になってきます。低アルコールなのに日本酒の美味しさが楽しめることを実現するイノベーションが決め手になってくるのではないでしょうか。「白雪」の小西酒造が兵庫県立大大学院と神戸親和女子大の学生との共同開発で「にゅーはーふ」というカクテルを発売したようですが、面白い試みだと感じます。

女子学生らが開発した日本酒ベースのカクテル「にゅーはーふ」 | BAR TIMES :
日本酒カクテル:蔵元の味に女子学生の感覚プラス 「かわいい」味、香り追求 小西酒造と共同開発 /兵庫 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース:

お酒は飲めるけれど日本酒は苦手という方は、この連休にぜひ吟醸酒を冷やして試みてください。最初は吟醸酒を冷やして飲むのがいいと思います。いきなり純米酒では重すぎるのではないでしょうか。慣れてくれば本醸造酒や純米酒を燗で楽しむことにも抵抗感はなくなってきます。

日本酒の繊細なあじわい、また全国の蔵元の酒の個性の広がりなどを考えると、いつか日本でもブームがやってくる可能性はまだ残っているように感じます。

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