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地方の魅力は“開拓の余地がある”ことにあり 環境が整っていないからこそ可能性がある

福井駅前
福井駅前

現代の日本では、目の前にものが溢れ、物質的な豊かさを感じることができる一方で、「果たしてこれが本当の幸せなのか?」と悩んでいる人も多いかと思います。

東京から福井に移住した僕は1980年生まれ。失われた20年が始まる少し前に生まれました。僕が子どものころ、国分寺市ではまだバキュームカーが走っていました。道路なんかもボコボコで、インフラにすらまだ改善の余地がありました。(文:ちばつかさ)

何もない場所で一から自分たちで作り上げることで得られるもの

あれから30年ほどがたちバキュームカーは姿をみなくなった。インフラはほぼ整い、スマホがあればネットであらゆるものをネットで買えるようになりました。しかし、便利な世の中になったはずなのに、どこか物足りないと思うことはないでしょうか。行動経済学者のダン・アリエリーはホットケーキミックスの話でこの人間の不合理な心理を伝えています。

ホットケーキミックスが市場に出始めた頃、水を加えて焼くだけでホットケーキが出来上がる超簡単な商品にも関わらず売れ行きは不調。そこで開発者は商品を改良しました。その後ホットケーキミックスは爆発的に売れたのですが、その改良というのが"卵と牛乳を入れる工程を増やした"というもの。簡単だったものに1つの工程を増やしただけで商品が売れたのは、人間はなにかにおいて"達成感"や"意義"を求めている証拠にもなります。

恵まれた時代に生まれた現代の若者にとって、そうした達成感を得られることができる場所、というのが地方ではないでしょうか。

昨年夏、福井県で、音楽と里山の融合をテーマにした『Mount of Music』というイベントが開催されました。このイベント、自然の中でただ音楽を楽しむだけでなく、音楽で人の気配を獣たちに感じさせ、耕作地から遠ざけて獣害を防ぐ、という狙いもあります。これも若い世代が企画しました。

また、鯖江市では女子高生が行政に携わるJK課が作られ、話題になったことも記憶に新しいかと思います。楽しみながら何かを企画し作り上げる。今までは社会や経済に対し、選挙に行くことや仕事をすることで働きかけていましたが、あえて一から自分たちで考えて作り上げることで得られる達成感や意義もあります。

都市部に比べて"開拓の余地がある"というのが地方の魅力かと思います。地方移住をしたり地域おこし協力隊に参加してりする人々も、そうした魅力に惹かれているのではないでしょうか。僕はその活動の中から生まれる"新しいなにか"を期待しています。

筆者近影

【筆者プロフィール】ちばつかさ

柔道整復師、メンタルケア心理士、元プロ野球独立リーガー。東京と福井で投げ銭制の接骨院「小道のほぐし接骨院」を経営しのべ10万人近くの体と心と向き合う。野球経験を活かし都内で"野球を教えない"野球レッスンも運営。【公式サイト】

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