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「殺されても聞く」精神でインタビューしてきた大物とのオフレコ回顧録

「仕事をし続けて疲れませんか」と聞かれることがある。しかし、僕はゆっくり休む方が、かえって疲れてしまう。何より、日本は今後どうなるのか、どうすべきなのかを考えると、休んでなどいられないと思う。

先日、『殺されても聞く』という本を出した。ぶっそうなタイトルだが、相手の地位も関係なく、保守かリベラルかも右翼や左翼もおかまいなしに、遠慮なく正面から議論してきた、という意味である。僕が彼らにぶつけた問いは、つまるところ、「日本という国を、この先いったい、どうするのか」という一点だ。

これまで議論してきた人は、ゆうに1万人は超えるだろう。そのなかでも、田中角栄さんや中曽根康弘さん、小泉純一郎さんは印象に残っている。財界では、松下幸之助さんや盛田昭夫さん、稲森和夫さんだ。三島由紀夫さんも忘れられない。

『殺されても聞く』では、60年近い僕のジャーナリスト人生において、特に印象深い人物との生々しいやり取りを回想した。たとえば安倍晋三首相だ。僕が安倍首相に、「北朝鮮が攻撃してきたら、どうするのか?」と聞いたところ安倍首相は、率直に「困る」と答えたのだ。

僕が重ねて、「困るのはわかる、どうすればいいんだ?」と安倍首相に問うと、「田原さん、どうすればいいと思う?」と逆に聞いてきた。僕は驚きながら、「そんなことを、誰も言わないのか?」と聞くと、「誰も言わない」という答えだったのだ。

つまり、このような重大な問題を提起し、どうすればいいかを、首相とともに考える人物がいないわけだ。自民党の幹部も閣僚も、無責任だ。危機の時に日本がどうすればいいか、誰も考えていない。まずは議論がなければ、いい案など浮ぶはずがないではないか。

僕は遠慮もタブーもない。誰に対しても「殺されても聞く」つもりだから、安倍首相に率直に聞くことができた。みな何かを恐れている。つまり、安倍首相の機嫌を損ねることが恐いから、意見を言えないのだろう。

安倍首相にどういう意見を僕が言ったのかは、ぜひ、本を読んでいただきたい。だが、僕は国民にも聞きたい。それは、「日米地位協定をどうするのか」「憲法9条をどうするのか」という2点である。

政治家は言うまでもない。だが、そもそも国民みんなが考えるべきことなのだ。この「日米地位協定」は、第二次大戦後、イタリア、ドイツ、フィリピンなどが、日本と同じように結ばされている。だが、イタリア、ドイツ、そしてフィリピンも、その後、協定を改正しているのだ。

なぜ、日本ができないのか。沖縄に負担を押しつけているからではないか。国民一人ひとりが、真剣に現実と向き合うときは、もう来ていると、僕は思う。

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