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先生は「いきいき」しているか? 多忙化解消プロジェクトの結果から

 武蔵野市教育委員会は、教員の多忙化解消を目的に「先生いきいきプロジェクト」を実施しているが、結果はどうなっているか?


「先生いきいきプロジェクト」は平成28年度より始まり、多忙化を解消し、先生が児童・生徒と向き合う時間を確保することを目指している。

 具体的には、出退勤時刻を確認するためのタイムレコーダーの設置、電話応答メッセージ対応の導入、学校閉庁日の拡大、地域人材を探す負担を減らすために地域コーディネーターを配置することや事務補助職員の配置により副校長の負担軽減などだ。

■6割が改善されていないと回答

 このプロジェクトの効果について、2019年3月15日発行の「教育推進室だより19号」に平成30年度の取組について、効果検証のためのアンケート調査を実施し結果の速報が記されている (調査対象:424人、回答人数:395人、回答率:93.2%)。


 速報値をみると、「在校時間が減り、ワークライフバランスが改善された」の設問に対して、「そう思う」は4.6%。「ややそう思う」は25.8%。計30.4%が改善されたと答えている。
 一方、「あまり思わない」は35.9%、「思わない」は27.6%。計63.5%が改善されていないとの答えだった。

 目的の「公務の改善・見直しにより、児童・生徒と向き合う時間が増えた」との設問に対して、「そう思う」は、4.1%。「ややそう思う」は、23.5%。計27.6%が増えたと答えている。

 しかし、「あまり思わない」は、44.8%、「思わない」は、27.6%。計72.4%が否定的だった。

 この結果から、「教育推進室だより19号」では、『一定の効果があったと読み取れます。また、従来からの地域コーディネーター事業や副校長事務補助職員の配置なども、教員の多忙化解消に大いに役立っていることが分かります。一方で、教員がその効果をあまり実感していない取組もあることも分かりました。この調査結果を受けて、さらに働き方改革を推進するための取組を検討していきます。取組についてのアイデア等がありましたら、学校内で工夫するとともに、教育推進室に積極的にご意見をお寄せください』と評価している。 

■組合のアンケートでも同じ傾向

 同様のアンケートは、東京都教職員組合北多摩支部武蔵野地区協議会も行っている。

 こちらは、回答数:79人(武蔵野市教職員全体の約18%)と少ない回答だったが、「先生いきいきプロジェクト」の今年度(平成30年度)の新たな取り組み方針に対して、昨年と比べてどうなったかを聞いている。


 その結果、「働きやすくなった」は2.5%。「変わらない」は、57%。「さらに過重になった」は、5.1%。「分からない」は、32.9%だった(小中の平均)。働きやすくなったとほとんどの人が感じていないことが分かる。

 同協議会では、予算をかけることで多少の改善につながっているとしているが、一番必要なのは教職員定数改善、少人数学級で教員を増やすことが必要だとしていた。

■理由は何か

 多くの教員が改善を実感していないことがどちらのアンケートでも明らかになったといえる。

 しかし、「教育推進室だより19号」では、なぜ実感していないのか? の分析がされていないのが残念だ。速報値であることからかもしれないが、今後の分析と対応策に期待したい。

【参考】
武蔵野市立学校における働き方改革推進実施計画〜先生いきいきプロジェクト〜

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