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アメリカの大戦略?

今日の横浜北部は思ったほどスッキリは晴れず、曇り気味の不安定な一日でした。

さて、レインの「幻想の平和」の再販が決まったところで、今日はアメリカの大戦略の話を。

先月あたりに、本ブログでも数週間にわたって「大戦略とは何か」という話を延々と続けたような記憶がありますが、最近読んだ本の中で、レインに引き続き、

「これがアメリカの大戦略だ」

と議論している箇所を見つけましたので、とりあえず後で書く論文のためのメモ代わりにここに記しておきます。

ご存知のように、リデルハートは大戦略のことをシンプルに
戦争政策・・・(軍事)戦略を支配すべきもの

と定義しているわけですが、これなどは典型的な「軍事寄りの定義」として、一部の論者には敬遠されているということはすでに述べた通りです。
ただし一連のエントリーを通じて私が言いたかったことは、「大戦略」というものが極めて曖昧であり、

論者の数だけその定義がある

と言い切ってしまっても問題ないほど、実に多様な捉えられ方をしていること。

そのような中で、私が最近読んだ本の中にも大戦略に関する(勝手な?)定義を発見しまして、これを元に、アメリカの大戦略を一つのモデルとして提示しておりました。

ところがこれが意外に興味深いものでしたので、簡単にご紹介しておきます。

まずその定義ですが、この著者は大胆に、

「ある国が国際関係の中でどのように行動すべきかを規定する、一つの政策

と書いて、なんと政策(policy)と同一視してしまうわけです。
階層の概念を提唱している自分としては、これは問題だなぁと感じるわけですが、その次に書かれている点は納得。それは、

「大戦略というのは時として、外交・軍事のエリートたちによって維持されている国家安全保障に関する単なる信念の寄せ集めとして現れることもある」

というものです。

この著者によれば、おそらく「コンセンサス」というのは言葉として強すぎる、ということらしいのです。

そしてこれらの「信念」には、自国にとって何が守るべき「安全」なのかが意味され、長期わたってそれをどのように達成すべきかが込められている、というわけです。
その実例として、この著者は

「アメリカは現在でも大戦略を持っている」

として、以下の7つの「信念」を紹介しております。

  1. 唯一の超大国という立場を維持
  2. 「法支配の秩序」の創出
  3. 国際制度機関や規範をつくってアメリカに有利に
  4. 軍の優越状態の維持、世界への戦力投射の展開
  5. 経済力の維持(ドル基軸体制)
  6. 文化面での優越(英語、エンタメなど)
  7. 民主制度と自由貿易体制の拡大
これをまとめてこの人物は「覇権的優越」(hegemonic primacy)という名前をつけておりますが、レインのものと比較すると、制度や文化面などを強調している点がミソ。

個人的には、今回のファーウェイをめぐる騒動でも明らかなように、「先端テクノロジーの優越を維持」という信念も入れるべきだとは思いますが。
もし上記の7つの信念の指摘が正しいとすれば、現在の中国の台頭はそれらのいくつかに完全に「違反」することになりますね。

ワシントンが北京に異様なほどの敵意をいだき始めた理由もわかる気がします。

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(砂漠の絵)

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