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- 2019年05月29日 09:15
【地ビール】、食品スーパーにバー!グラウラ―にシッピン・ショップ戦略で客単価増加?

これまで飛躍的に生産量が伸びていた地ビールも成熟期を迎え成長が鈍化している。地ビールの販売高は276億ドル市場となり前年から7%増加し、前年の8%の増加から成長が落ちている。
地ビールの成長率は鈍化している傾向となっているが、ビール全体に占める地ビールのシェアは生産量ベースで13.2%となり、販売額ベースでは全体のほぼ4分の1となる24.0%以上を占めている。市場としては成熟しているものの、地ビールの人気は健在となっているのだ。
地ビール人気を背景にスーパーマーケットでは生ビールの量り売り「グラウラー(Growler)」が増えつつある。グラウラーとは量り売りの空瓶を意味し、通常の缶ビール(12オンス)サイズの5倍となる64オンス(1.9リットル)と32オンス(0.9リットル)の酒瓶にビールを入れてもらうサービス。
グラウラーのビールが空になれば洗って、グラウラー・ステーションでリフィル(継ぎ足し)してもらうのだ。スーパーマーケットではホールフーズが2006年からビールを提供するバー「タップルーム」でグラウラー・サービスを始めた。
ここ数年のクラフトビール(地ビール)ブームでホールフーズだけでなく、大手スーパーマーケットチェーンもグラウラー・ステーションのあるタップルームを店内に設け、地ビールの量り売りサービスを拡大させている。
2018年の調査では国内の地ビール業者は7,346社あり、年間生産量1.5万バレル以下(176万リットル)の零細業者は全体の62%を占める4,522社もある。前年から13%増加しているのだ。
大きな工場や施設などを持たないマイクロブルワリー(MicroBrewery)と言われる零細業者では、缶詰めや瓶詰めまではできない。ビール樽からのタップ(ビールサーバー)でしか提供できないのだ。したがってグラウラーでの販売となるのだ。
スーパーが店内でグラウラーを展開することは、レアな地ビールを提供することになる。つまり競合との差別化になるのだ。また地元業者の商品を推進することでローカルコミュニティーの支援にもつながる。
買い物中でも地ビールのサンプル等を味わってもらえる機会を創る出すことで、買い物体験も向上する。何よりも坪売上高が上昇するメリットがある。こういったことが背景となりスーパーマーケットでのグラウラーサービスが増加しているのだ。
またスーパーがバーを持つことで顧客の滞在時間が長くなり、客単価が上昇するメリットがある。
高級スーパーマーケットのゲルソンズは昨年11月、ロサンゼルス国際空港から南に車で20分の距離にグローサラントなスーパーマーケットをオープンした。30,460平方フィート(850坪)にはインドア・アウトドアのシーティングエリアを設けフードホール仕様となっている。
地ビールやワインを提供するバーもあり、ワイン片手にちょい飲みショッピングとなる「シッピン・ショップ(Sip'n' Shop)」が可能だ。
ゲルソンズは現在、27店舗だが、最近改装や新規オープンしている多くにバーがある。なおゲルソンズでは州法によりグラウラ―を提供していない。
トップ画像:高級スーパーのゲルソンズ(マンハッタンビーチ店)にあるバー(手前の低くなっているカウンターは寿司バー)。スーパー内で新鮮な地ビールやワインによる「シッピン・ショップ(Sip'n' Shop)」で客単価アップを狙う。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。当ブログではエントリー記事のトップには必ず画像もしくは動画を挿入しています。店のファサードや店内、アプリなどの画像にPR動画などで一目でコンテンツが何であるのかが、わかるようにしているのです。ただ最近、参加者の顔が映っているのは除外する傾向にあります。本当は載せたい画像にスーパーマーケット内にあるタップルームで乾杯する参加者があったります。
当社クライアントの多くは機密契約を結んでいるため、特にトップや役員などが映っているのは意識的に除いているのです。大手チェーンストアのCEOなど世間にも顔が知れている有名な方もいて顔バレしますから(顔にボカシを入れることも可能ですが)。言い換えれば競合チェーン等に知られたくないほど、後藤が行うコンサルティング・レクチャーは戦略的価値があるといえます。先日もシアトル郊外ギグハーバーにあるフレッドマイアーを視察したのですがタップルームでちょい飲みする参加者の表情がいいのですよ。
勉強中にアルコールは何事だ!と言われかねませんが、スーパー内のバーで地ビールをサンプリングすることも学習なんですけどね。



