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困りごとをAmazonに相談する親、App Storeに相談する子ども

Photo by Agnieszka Boeske on

“知りたい情報があったとき、若者はGoogle検索を使わずInstagramで検索する。なぜならGoogleの情報は“リアル”じゃないから“

数年前、こんな内容の記事を読んでとても驚きました。それまで、Instagramはお洒落な写真を見て楽しむ場所であって、有益な情報を取りにいく場所だとは全く思っていなかったんです。ところが、その直後にたまたま話した20代前半の美容師さんが、まさに、休みの日に遊びに行く場所はInstagramで検索して決めると教えてくれて、あの記事は本当だったのだと思いました。

美容師さんいわく、若い人はGoogle検索結果の上位に並ぶ企業やメディアの記事を、信憑性のない情報だと感じるそうです。逆に、自分と限りなく近い一般の人、あるいはいわゆるインフルエンサーと呼ばれるような、一つのことにとても詳しい一般の人(≠商売の人)が発する情報こそ、信用に足る、“リアル”な情報だと感じる、とのこと。

当時は、へ〜!とやたら感心して聞きましたが、ふと気がつけばこの感覚、もはや若者でない私達にもすっかり馴染みました。

インターネットによって情報が身近になった分、サイトでは良さそうに見えたのに、いざ本物を目にするとがっかり、という苦い経験を、私達はたくさん積みました。その結果、新しい場所を訪れるときや、新しいものを買うときには、すでに真実を知っている先人たちの、ありがたい口コミを頼りにするようになりました。オフィシャルに発信される情報から、消費者の口コミへ、私達がなにかしら行動する上で必要とする情報は確実に変わりました。

しかし、だからといって私が若者同様Instagramで検索をするようになったかというと、そうではありません。ではどこで検索しているかというとAmazonなんです。私は先日、ふと他人事のように気づいてドキッとしたんですが、日常生活でなにか困ったことがあると、最近はすっかりGoogleよりAmazonで検索するのです。

たとえば、「最近ちょっとかかとが痛いな」と思ったら“かかと 痛い”とAmazonで検索。するとAmazonは、かかとの痛みを防いだり、緩和したりするグッズをさまざまに紹介してくれるので、その中から、一番たくさん良いレビューがついているもの、なおかつ予算と見合うものを選んで1Clickで購入。そうして、当日か翌日に届いた商品にがっかりするということはほとんどなく、決まって「こんなにいいものがあるなら早く買っておけばよかったな」と思うんです。そしてこの感覚に後押しされて、次もまたお困り解決商品をAmazonで探してしまう。

この記事を書いている今もまさに、ドラム式洗濯機の乾燥フィルターの詰まりで困っていたことを思い出し、「ドラム式洗濯機 ほこり」でAmazon検索しました。すると奥の方の隙間に落ちたネジを拾ったりするような棒状の長い器具を発見。レビューを見ると、これで乾燥フィルターの奥のホコリがごっそり取れたと書いている人がいたので、ついいつものように購入ボタンを押してしまいました。

この商品の正式名称は、「ピックアップツール」というらしいのですが、日頃なかなか「ピックアップツール」と出会うチャンスはありません。だけど困りごとで検索することによって、こんなツールがあることも、またこれが困りごとに効くということも知ることができる。こんな風にAmazonは、生活の中で起きるさまざまな問題をお金で解決する、思わぬ方法を提示してくれるのです。

一方、このことを我が家の娘(中学2年生、14才)に話したところ、娘は少し考えてこんなことを言いました。
「私は困ったとき、App Storeを検索するかな」
App Storeを頼るというまさかの発想にはお母さんびっくりしました。そんなことができるのだろうかと、ためしに中学生が悩みそうな“忘れ物”、“遅刻”などのキーワードをApp Storeで検索してみると、たしかに、解決を効果的にサポートしてくれそうな無料アプリがたくさん出てくるんです。娘いわく、この方法で“イケメンが腹筋を応援してくれるアプリ”を発見、腹筋を続けられているらしいです。

AmazonにInstagram…より効果的に検索するには

若者でない私もたまにはInstagram検索を使うこともあります。が、それは観光地やレストランなど、非日常で必要とする情報を得ることが主たる目的です。働いてお金を稼いだり、子育てをしたり、生活を営む責務を負ったアラフォーというステイタスの私が日常的に必要とする情報は、Instagramでは得られないから、Amazonにソリューションを求める。

一方、お金を自由に使えない娘は、お金のかからないApp Storeで検索する。どんな情報をどこで検索するか、ひいてはテクノロジーをどう活用するかは、利用者の年齢や職業、生活スタイルなどによって、以前にも増して多様化していると感じます。以下にあらためて、私が現在使っている検索とその用途をまとめてみました。

Amazonで検索
・本
作品名、作家名、キーワード(“仏教”、“教会”など)
・体の不調
“かかと 痛い”、“お腹 温める”、“座る クッション”
・日常生活の困りごと
“ペット 匂い”、“排水口 詰まり”、“透けない キャミソール”
Twitterで検索
・時事ニュース(地震含む)への反応
・テレビ番組へのリアクション
・自分の書いた記事への反応
・気になる商品のレビュー(商品名で検索)
・道路交通情報

Instagramで検索
・おでかけ、食事スポット
・気になる商品のレビュー(商品名で検索)

App Storeで検索
・体の不調 “ダイエット”、“筋トレ”
・日常生活の困りごと
“忘れもの”、“宿題”、“遅刻”

Googleで検索
・人物、事件(考えてみると主にWikipediaへのリンクを求めています)
・悩み事
“恋人と復縁したい”、“離婚に必要なこと”、“子どもの反抗期”など

※かつて20代の友人女子が、「悩み事はGoogleに相談する」というのを聞いて驚かされたこともありました。彼女は「ふられた恋人と復縁したい」「友達と待ち合わせをするのに最適な店」などというように、検索枠に文章を入力するそうです。

※ちなみに生活インフラの整備に必要なさまざまなものが、幅広く、安く売られているという点ではAmazonのみならずメルカリも頼りになりますが、こちらはAmazonほど、困りごと・悩み事でのサジェストには応じてくれません。現状、Amazonで見つけて、予算と折り合いがつかないものをメルカリで商品名検索、という使い方を余儀なくされているわけですが、より売れやすい出品テクニックを極めた出品者がタイトルに効用を書くなどするようになり、ゆくゆくは困りごと検索に対応してくれるようになるかも、と密かに期待しています。

さて、いろいろと並べてみましたが、どの検索ツールを使うにしろ、最も重要なことは“まずは自分の困りごとに気づく”ということかもしれません。日常の中の不便なこと、困っていること、ストレスフルなことに、私達は案外気が付かないんですよね。なぜかというと、それが解決された世界を知らないからです。

知らないものを想像するって難しいんです。だけどそこをなんとか頑張って、生活の中でもたついている動線に、少しだけ敏感になってみる。その上で、これは改善できるかもしれないと、期待して、検索してみる。すると案外その日から、思いもよらない快適な暮らしがスタートするかも知れません。

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