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川口市いじめ関連文書開示請求訴訟 市側は違法性を認め、不開示決定と不訂正決定を覆す 565枚の文書を開示 賠償請求は争う姿勢

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埼玉県川口市教育委員会が「違法性」を認めたー。同市内の中学校に通っていた元男子生徒、栃内良介(16、仮名)が、部活動などでいじめを受け、不登校になった。この問題で、自身のいじめに関する情報を開示することを求めていたが、多くの文書が開示されていなかった。また、開示された文書の中には、事実とは異なる内容が書かれていた。これに対し、良介が市を相手に、不開示処分の取り消しと、内容の訂正を求めて訴訟を起こした。15日、さいたま地裁(谷口豊裁判長)で開かれた第2回口頭弁論で、市側は、処分を取り消したことを明らかにした。行政訴訟としての側面はこれで終了する。一方で、この問題に伴う損害賠償請求については、市側は争う姿勢だ。

市側が一転、565枚の文書を開示

良介は、自身のいじめに関する記録に関して、情報公開を求めた。しかし、市教委は請求された情報の一部しか開示しなかった。開示されたものにも、事実と異なる記載があったため、訂正を求めたが、実現しなかった。これに対して、市側は、事実上の違法性を認め、請求された記録を開示することと、誤った記録の訂正も職権で決めた。5月13日付。これを、口頭弁論で明らかにした。

これで開示される文書は565枚。これまでは54枚しか開示されていない。市教委に請求した文書と、同様な内容を県教委にも請求したところ、103枚が開示されている。これだけを見ても、市教委は、膨大な資料の一部しか開示していなかったことがわかっていた。

市側は、賠償請求は争う

訴状によると原告(良介)は、18年1月、市の「個人情報保護条例」に基づいて、いじめの重大事態に関する記録すべての開示請求を行なった。「人間関係のトラブルに起因する(保護者の申し立て)いじめ事案発生報告」など一部が開示されたが、いじめ発生日時の記載がなく、事実と異なる記載が多数見られた。「中学校生徒指要録」では、請求した部分は開示されていない。

他の文書が開示されない理由としては、市いじめ問題調査委員会条例を根拠としていた。良介のいじめ問題について、市教委による調査委員会が立ち上がっていたからだ。しかし、原告側は、条例では、会議を非公開しているだけであり、調査委の文書すべてを非公開にしていない、としている。

また、3月、事実と異なる部分について訂正請求し、市側は、訂正決定した。しかし、原告が提出した資料が添付されていただけだった。市教委は「元の文書と、原告が提出した資料を一緒に補完した。これで訂正とする」と回答した。そのため、情報公開の窓口である行政管理課では、市教委指導課に対応を求めたが、市教委指導課は従わなかった。

さらに、市教委は9月、3月の訂正決定を取り消し、不訂正等決定処分とし、訂正しないことにした。その場合、一度なされた決定の効力が失うことになり、市行政手続条例によって、原告からヒアリングを行う必要が生じるが、その機会は与えられていない。

市側は第二回口頭弁論で、これらすべての請求を認めた。しかし、「答弁書および準備書面」によると、行政上の「瑕疵」は認めたものの、瑕疵があるからといって、ただちに損害賠償請求が発生するものではない、として、国家賠償請求は争う、としている。

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