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特別展「東寺─空海と仏像曼荼羅」で、お参りしたい自分に気付いた

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「お参りできる仏様たち」

 
 お寺に安置されている仏像は、魂が入っているだけでなく、お寺というコンテキストのなかで仏様として機能している。  
 


 例えばこの弘法大師さまは、みんなが仏様としてお参りしているもので、実際、礼拝されるセットのなかに安置されている。お寺の人が毎日礼拝している形跡もある。もちろん私は手を合わせるし、訪れた他の人々も手を合わせていく。
 
 

 こちらの薬師如来さまも、お参りの対象としてフルセットの状態だ。
 
 これらの仏様は、仏教美術という点でみれば特別展の仏像たちに及ばないし、前後左右からしげしげと眺めやすく展示されているわけでもない。そのかわり、手を合わせたい気持ちのままお参りするには完璧な状態になっている。国立博物館で仏像に手を合わせて拝んだら奇異の目でみられるかもしれないが、これらの仏様に手を合わせて拝んでも奇異の目でみられる心配はない。むしろ、手を合わせないほうが奇異の目でみられかねない。
 
 お寺、それと西洋の場合は教会には、私のお参りしたい気持ちを昂らせる何かがある。  

 例えばこの弘法大師さまは、みんなが仏様としてお参りしているもので、実際、礼拝されるセットのなかに安置されている。お寺の人が毎日礼拝している形跡もある。もちろん私は手を合わせるし、訪れた他の人々も手を合わせていく。

 こちらの薬師如来さまも、お参りの対象としてフルセットの状態だ。
 
 これらの仏様は、仏教美術という点でみれば特別展の仏像たちに及ばないし、前後左右からしげしげと眺めやすく展示されているわけでもない。そのかわり、手を合わせたい気持ちのままお参りするには完璧な状態になっている。国立博物館で仏像に手を合わせて拝んだら奇異の目でみられるかもしれないが、これらの仏様に手を合わせて拝んでも奇異の目でみられる心配はない。むしろ、手を合わせないほうが奇異の目でみられかねない。
 
 お寺、それと西洋の場合は教会には、私のお参りしたい気持ちを昂らせる何かがある。

複製技術時代の芸術 (晶文社クラシックス)
作者: ヴァルターベンヤミン,佐々木基一
出版社/メーカー: 晶文社
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 ヴァルター・ベンヤミンは『複製技術時代の芸術作品』のなかで、複製可能な現代作品とそれ以前の作品を比べてアウラ(今風に言うならオーラ)が有るとか無いとかいったことを語った。インターネット上でライブ的なコンテンツが栄える2010年代に、このベンヤミンの筋書きがどれぐらい適用できるのかはわからないが、ともあれアウラは古い仏像全般に宿っていて、それ以上に、お寺に安置されている仏様にはビンビンに宿っている。なぜならお寺の仏様は、個別の美術品ではなくみんなでお参りされるものだし、お参りされる対象として安置されているからだ。お寺の仏様はお寺ごとアウラに包まれていて、私はそのアウラのなかでアウラの溢れる仏様に手を合わせる。
 
 国立博物館で展示される仏像にも、もちろんアウラはある、なにしろ平安仏教美術なのだから。だけど美術館という場所で個人が仏像と対峙する時、お寺ごとアウラに包まれるなんてことはない。美術館という場所にも相応のコンテキストがあるとは言えるけれども、美術館はお寺ではなく、鑑賞するための場所ではあっても礼拝のための場所ではない。
 
 まあ、そんな御託は置いといて。
 
 子ども時代からの習慣の延長線上として、私には仏様に手を合わせたい欲求が間違いなくあって、だから私はちょくちょくお寺に行く。仏教芸術を「鑑賞」する機会は、それに比べればずっと少ない。私は、仏様にお参りすることには慣れているが、仏教芸術を鑑賞することには慣れていないのだろう。というか、慣れていないと今回の件でわかった。<  

「そうだ、東寺行こう。」


 じゃあ、私はどうすれば良いのか。
 
 決まっている。お寺に行くしかない。お寺を詣でて、諸行無常のならいのなかで生きるということを、因縁・縁起の考え方にもとづいて思い返そう。そうやって、世の中のモノの見方を仏教フォーマットに定期メンテナンスしておかないと、どうも私は駄目らしい。
 
 そして再び出かけよう、むせかえるほどのアウラに包まれた東寺と、その講堂に。  

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