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メンズ肌着が進化 Yシャツ下でも透けないベージュ丸胴型も

メンズ肌着もベージュが増えてきた(ユニクロ『エアリズムシームレス』)

メンズ肌着のカラーバリエーションが豊富になりつつある

グンゼの「ステルスインナーVネックTシャツ」(スモークオレンジ)

白ワイシャツの下でもまったく透けないオレンジのインナー(グンゼ)

 日に日に暑さが増すこの時期、ビジネスマンの間でよく「ワイシャツの下に肌着(インナーシャツ)を着るのはアリかナシか」という議論が起こるが、最近は「吸水速乾性」に優れたメンズ肌着に加え、“透けにくい”肌着も数多く登場し、汗かきビジネスマンの必需品になりつつある。ファッションジャーナリストの南充浩氏がメンズ肌着の最新事情をレポートする。

 * * *
 今年もクールビズの時期がやってきました。2005年に提唱されてからすでに14年が経過し、すっかり定着したといえます。

 メンズファッションをこよなく愛する人々からは「クールビズはメンズスーツスタイルを破壊している」と不評ですが、真夏の最高気温が35度を越える日本では、冷涼な欧州と同じように真夏でも上着を着ることは苦行に等しい行為です。マスのビジネスマンが暑さに耐えかねてクールビズに流れるのは無理からぬことだといえます。

 上着を着ずにシャツ一枚での通勤もOKというクールビズの期間中は、シャツの下にどんな肌着を着れば良いのかが毎年論争になります。

 欧州に準じる派は「シャツはそもそも下着から発祥しているから、その下に肌着を着ることはおかしい」と言いますが、春・秋・冬なら汗をかくことも少ないため、素肌にそのままワイシャツを着ることは可能ですが、高温多湿な真夏の気候で、素肌にシャツを着れば、すぐに汗でグッショリになります。

 私も生来の汗っかきなので、真夏は常に汗をかいています。当然、素肌にワイシャツを着ると一瞬のうちに汗で肌にくっついてしまいますので、見苦しさを抑えるためにも必ず肌着を着ます。欧州のマナーに是が非でも合わせねばならないことのほうがナンセンスだと考えます。そして、私と同意見のビジネスマンも多いのではないかと思います。

 さて、この時期の肌着選びでもっとも気を付けるのが、「吸水速乾性」と「白シャツの下に着ても透けにくい」の2点ではないでしょうか。近年では各ブランドからこの2点をカバーしたメンズ肌着が発売されています。

 吸水速乾肌着は早くから市場に出回りましたが、透けにくい肌着はなかなか拡販されませんでした。じつは女性の肌着と同様の理屈ですが、白シャツの下に着ても一番透けにくい色はベージュだと言われています。そのため、近年はメンズ用でもベージュの肌着が広く販売されるようになりました。

 ほんの10年くらい前まではベージュの肌着は、一部の高級オシャレブランドだけしか販売していませんでしたが、今では安いブランドだと1枚1000円ほどで販売されているのですから、いい時代になったものだと思います。あらゆる商品はコモディティ化するのだと改めて感じさせられます。

 メンズ肌着の中で最もポピュラーで機能性もそれなりに優れているのは、ユニクロの「エアリズム」でしょう。透けにくいベージュ色も豊富にそろっています。さらにネックの部分と袖先、裾が切りっぱなしになった「エアリズムシームレス」も発売され、これにもベージュ色が揃っています。定価だと1枚990円と買いやすい値段ですが、ときどき期間限定で790円に値下げしますので、興味のある人はその時にまとめ買いするとコスパが良いでしょう。

 しかし、エアリズムが苦手だという方も中にはおられます。それは、この商品の素材がナイロン84%・ポリウレタン16%という合成繊維の塊だからです。

 知り合いのアパレルメーカー社長は、肌が弱いそうで、合繊100%の服を着るとかゆみが出るそうです。こういう体質の方には、エアリズムシームレスはお勧めできません。さらにいえば、50代以上の中高年男性は合繊100%の服を嫌い、綿(コットン)の肌触りを好む傾向にあります。

 そういう人たちにもお勧めなのが、グンゼの「YGカットオフ」です。こちらもネック、袖先、裾は切りっぱなしですが、さらにエアリズムシームレスにはあった、胴体脇部分の縫い目もありません。いわゆる丸胴になっているのです。

 YGカットオフにはいくつかのシリーズがあります。通年タイプの「オールシーズン」、夏向けの「クールタイプ」、そして「完全無縫製ライン」です。特筆すべきはどれも綿の混率が高いことです。綿高混率素材で切りっぱなし生地ができるのは、私の知る限りグンゼだけです。

「オールシーズン」は綿55%・ポリエステル30%・ポリウレタン15%という組成になっており、「クールタイプ」は綿35%・ポリエステル30%・レーヨン20%・ポリエステル15%という組成になっています。さらにスゴイことに「完全無縫製ライン」は綿90%・ポリウレタン10%という組成になっており、「ほぼ綿」という状態です。

 価格はエアリズムシームレスよりも少し高く、完全無縫製ラインは2000円(税抜き)、クールタイプ1500円(税抜き)、オールシーズンタイプは1300円(税抜き)となっていますが、合繊100%では肌荒れしたり、綿でないと満足できない中高年層には価格差はあるものの、こちらのほうが適しているでしょう。

 メンズ肌着の分野は、もう工夫の余地が残されていないように見えますが、じつはまだまだ細かいニーズ解決は必要で、その部分への着目はグンゼが一歩抜きんでているように見えます。

 特に私が注目しているのは2商品です。ひとつはTシャツの下に着るインナー「インティー」と、もうひとつは「ベージュよりもさらに透けにくい色」というコンセプトの「ステルスアンダー」です。両方ともYGカットオフの派生商品です。

 両方ともカットオフ同様の切りっぱなしですが、開発コンセプトが異なります。汗っかきとしては真夏のTシャツでも、素肌に着るのはちょっと抵抗があります。生地が薄いと汗でビショビショになってしまうためです。最近では2枚重ねでTシャツを着て対策している人も増えましたが、通常のTシャツを2枚重ねると生地が分厚くなりすぎて動きにくくなります。

 そのため、YGカットオフと同様、薄い生地のインナーTシャツというのは非常に重宝します。私も実際に購入して試してみたところ、襟もとも首の後ろも深めに切り込まれているので、Tシャツの首元から覗くことはありません。

 もうひとつの「ステルスアンダー」はベージュよりも透けにくいというカラーリングで、これはグンゼ独自の分析によるものだそうですが、スモークオレンジ、スモークピンク、スモークグレーなどのカラーリングが揃っています。

 一見すると「本当に透けないの?」と不安になるような濃い色ですが、実際にスモークオレンジを白いワイシャツの下に着用してみたところ、まったく色が透けないうえに、切りっぱなしのため生地の境目も浮き出ない。インナーを着ているのを感じさせないシルエットでした。こうしてみると、夏のメンズ肌着のカラーバリエーションは白やベージュ一辺倒から拡大できることになります。

 読者の皆さんには意外だったかもしれませんが、メンズの肌着も相当に選択肢が広がっていますので、いろいろ試してみるといいかもしれません。

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