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「DVとは違う。旦那のことが好きだった」 心愛ちゃん虐待母の「ゆがんだ愛」 - 「週刊文春」編集部


取調べ途中で黙秘に転じたなぎさ被告 ©共同通信社

「毎日が地獄」

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 父親による壮絶な暴行をそう表現していた栗原心愛(みあ)ちゃん(当時10)の虐待死事件。傷害幇助罪に問われた母・なぎさ被告(32)の初公判が5月16日、千葉地裁で開かれた。

 茶色のセーターに黒いズボン姿のなぎさは、終始うつむきがち。法廷で明らかになったのは虐待の全容に加え、夫・勇一郎被告(41)との歪んだ関係だ。司法記者が語る。

「2人は08年に結婚。心愛ちゃんが生まれた後、なぎさは『旦那に行動を監視されている』と母親に相談していた」

 証人として出廷した母親は、「(勇一郎に)暴力を受け、支配されている状態だったと思う。心配して離婚させ、沖縄の実家に娘と心愛ちゃんを連れ帰った」と証言した。

「しかし勇一郎が執拗に復縁を迫り、17年に再婚。同年夏に次女が生まれた後、千葉県野田市に転居すると、なぎさは実家や友人との関係を遮断され、夫の完全な支配下に置かれました」(前出・記者)

 なぎさの供述調書からは、夫への愛情が明らかになる。

「旦那からされていたことはDVと違うと思った。旦那のことが好きだった」

離婚に関する質問に口をつぐんだ

 さらに被告人質問で虐待を止めたかと聞かれると、「『これ以上やらないで』『通報する』と言ったが、胸ぐらをつかまれ、床に押し倒されて、馬乗りになってきて、苦しいと言うと、ひざ掛けを口の中に突っ込まれた」と述べた。

「DVに対する認識を弁護人に問われると『当初は思っていませんでしたが、振り返るとDVだったかなと思います』と答えており、まだ夫の呪縛から脱け出せていない印象でした」(前出・記者)

 一方、検察側は現在の勇一郎への気持ちについて質問。

「『好きなのか、離婚しようと思うのか』『心境は複雑か』と繰り返し問いかけたが、口をつぐんでいた。憔悴していたとはいえ、大体の質問に答えていたのですが」(同前)

 捜査関係者はDV案件の複雑さをこう語る。

「暴力をふるってくる『爆発期』と、優しく振る舞ってくる『ハネムーン期』というサイクルがある。被害の認識に乏しい被害者も少なくない」

 弁護側はDVが原因で勇一郎の意向に逆らえなかったと主張。検察側は懲役2年を求刑し、結審した。今秋には勇一郎の公判が始まるが、妻との関係をどう語るか注目される。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月30日号)

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