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大阪・西成を支えた「総合センター」閉鎖で怒号あふれる

 5月21日、大阪市西成区の「あいりん総合センター」の前には、段ボールやテントが張られ、搬出された荷物が置かれた場所に多くの野外生活者が集まっていた。

 センター前で寝ていた男性は、「センターが開いていたときは中にいましたが、今は閉まっているのでセンターの前で野宿しています」と話す。

 かつて、この場所は労働者仲間が集まり交流する「憩いの場」でもあった。いったい何が起こったのか?

 あいりん総合センターは、労動者の街として戦後の日本経済を足下から支えてきた「西成」で、長年労働者に仕事を斡旋する役割を果たしてきた。

 だが、耐震性に問題があることから、大阪市はセンターの閉鎖と解体、立て替え、一部機能の移転を決定した。センターは3月31日に閉鎖され、6年後に新しい施設が完成する予定だ。

 閉鎖に際し、反対する住民や元労働者たちが抗議行動を起こした。参加者は数日間にわたりセンター前で座り込みなどをしたが、4月25日、センター内に残された利用者の荷物が強制的に搬出された。

「居場所を壊すなー」

 大きな怒鳴り声があたりを包むなか、警察官の手により閉鎖されていたシャッターが勢いよくあけられた。「俺も中に入れろ!」と警察官に詰め寄る男性もいたが、取り押さえられた。

「やめろ!」と抗議する人の声をよそに、荷物は淡々と搬出され、センターの前に次々に並べられていく。警察の説明では、この中から自分の荷物を見つけ、持って帰ってほしいとのことだった。

 支援者団体の職員はこう話す。

「長年この地で支援活動を続けてきましたが、今日のやり方は少し乱暴です。荷物は置いておくから取りにこいと言っていますが、こんな野ざらしで雨でも降ったらどうするんですか。もう少しやり方を考えてほしい」

 長年に渡り労働者や住民を支えてきた「あいりん総合センター」の閉鎖に対し、理解を示す声もある。「NPO釜ヶ崎 釜ヶ崎日雇勤労組合」の山中秀俊さんは、建て替えに前向きだ。

「センター閉鎖は時代の流れだと思っています。昔は労働者の街として日本経済を支えてきましたが、現在ではその労働者も高齢化、場合によっては貧困化し、何らかの福祉サービスを必要としています。センターの役割自体が変わってきているのではないでしょうか」

 あいりん総合センター閉鎖をきっかけに意見が割れる西成地区。かつての労働者の街は、今後どのように変わっていくのだろうか。

写真・文/西村麦(フォトジャーナリスト)

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