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事故が起きやすい交差点の特徴、高速出入り口やコンビニ付近等

事故が起きやすい交差点はどんな特徴が?(時事通信フォト)

 日本では年間43万件超の交通事故が起きている(警察庁「平成30年中の交通事故の発生状況」)が、国内のあらゆる事故状況を把握し、その過失割合を算定して保険金を支払う損保会社は、いわば「自動車事故のプロ」だ。

 自動車保険を取り扱う全国27の損害保険会社からなる一般社団法人「日本損害保険協会」は、毎年「全国交通事故多発交差点マップ」(別掲表参照)を作成している。

 特筆すべきは、街中の交番などで目にする「昨日の交通事故」データが「警察管内の発生件数」を示すのに対し、同データは事故が起きた「交差点」がどこかを、ピンポイントに示している点だ。その調査データを専門家が分析した「危険な交差点のポイント」を見ていこう。

交差点付近に「高速道路の出入り口」がある

 高速道路の出入口が隣接する場合、ドライバーはスピードを出しすぎたり、歩行者への注意が欠如してしまうケースがある。元警察庁科学警察研究所で交通事故に詳しい伊藤安海・山梨大学大学院教授が指摘する。

「高速に進入するドライバーは、上方に示された入口の案内看板や渋滞情報に気をとられ、手前の横断歩道を渡る歩行者らへの注意が十分払えないことがあります。

 降りる車は、高速を運転した感覚のままスピードを出してしまったり、出口の下り坂で加速したまま交差点に進入してしまうことがあります」

「鉄道や高速道路の橋脚」などがある

 高速道路やモノレールなどの高架下にある交差点の場合、右折時には橋脚が死角となって横断歩道を渡る歩行者を見落としてしまうケースが出てくる。

「中央分離帯や街路樹など、橋脚以外にもドライバーの死角を生み出す障害物がある交差点では、青信号で横断歩道を渡っていても自動車への警戒を解くべきではありません」(同前)

 東京・杉並区の「中の橋交差点」は、頭上を首都高速4号線が走っている。恒常的に渋滞しており、2012年~2014年まで3年連続で、左折車が横断歩道を通行中の歩行者と衝突する事故が起きた。

角に「コンビニ」「商業施設」がある

 ドライバーが気を取られ、歩行者の存在を見落としてしまうケースは、高速道路付近だけでなく、街中にも存在する。

「角に駐車場のあるコンビニなどがある場合、ただ交差点を曲がる車だけでなく、駐車場に出入りする車もあるのでドライバーの注意が散漫になりやすく危険が増します。

 さらに、付近で新規出店があった交差点では、その道を走り慣れているドライバーにとっても想定外の車の流れが出現します。そのため、予期せぬ衝突事故を招いたり、車両の危険を回避するのに精いっぱいで、交差点付近の歩行者に注意が行き届かない場合があります」(同前)

「鋭角」な交差点

 道路が斜めに交差する“鋭角”な交差点にも危険が潜む。自動車が交差点を鋭角に曲がる際、横断歩道の歩行者が死角に入りやすいからだ。

 十字路にやや狭い「1本枝道」が接続される五差路なども同様だ。

「1本枝道から自転車や歩行者が進んでいても、通り慣れたドライバーほど“いつもの感覚”で枝道に右左折してしまいます。建物が死角になって見えにくいので、接触事故につながりやすい」(同前)

 リストには、「鋭角」形状の交差点が多数含まれている。その中には、歩行者を巻き込む死亡事故が発生した場所も多い。

「幹線道路が交わる『仙台バイパス6丁目交差点』(仙台市若林区)は『X字』に近い鋭角な交差点です。左折車と歩行者の衝突事故が発生しやすい」(同前)

「国泰寺交差点」(広島市中区)では、昨年9月、横断歩道を渡っていた男性が、タクシーにはねられて死亡した。2014年にも、横断歩道を渡る歩行者と自動車の接触事故が3件起きている。

3車線以上ある見通しの良い交差点

 見通しが良い道路は安全と思われがちだが、3車線以上の広い交差点の場合、スピードが出やすくなり危険だ。

「交差点が狭ければ、車も自然に減速します。しかし、道幅が広い、車線数が多いなど交差点の面積が広いほど、車はスピードを緩めずに交差点に進入しやすい」(同前)

 名古屋市東区の「高岳交差点」は交差点の面積が広く、過去5年間で66件もの事故が起きている。その多くが、左折車に歩行者らが巻き込まれる事故だった。しかし、今年3月に歩行者信号と左折信号を分離したところ、それ以降は巻き込み事故が起きていないという。

 正しい対策の効果ではあるが、全国の同様の交差点で同じ対応が取られているとは限らないことを肝に銘じたい。

 また、車線が多く広い交差点で、かつ右折専用の矢印信号がない場合はより危険が増す。対向車が来ないうちに急いで右折しようとするため、横断歩道を渡る歩行者が事故に巻き込まれやすい。

 5月8日に滋賀県大津市で信号待ちをしていた保育園児らが被害に遭ったT字路(大萱6丁目交差点)も、直進、右折、対向車線と3車線あり、右折専用矢印信号がない見通しが良い道路だった。

「車同士の衝突を避けようとして咄嗟にハンドルを切ったり、衝突して飛ばされた車両に歩行者が巻き込まれるケースが想定されます。スピードを保ったまま進入した場合、急ブレーキを踏んでも自動車が進んでしまう恐れもある」(同前)

 これら「危ない交差点」のポイントを踏まえ、自分や家族が日常生活で使う交差点をよく観察することが肝要だ。

※週刊ポスト2019年5月31日号

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