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巨大IT企業の市場独占が止まらないワケ

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■巨大IT企業への規制強化の動きが日本でも浮上

プラットフォーマーと呼ばれる巨大IT(情報技術)企業に対する規制が大きな焦点になっている。グーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップルの頭文字を取って「GAFA(ガーファ)」と呼ばれるプラットフォーマー企業は、無料サービスとの引き換えに個人データを集積し、それを武器に旧来型の産業を駆逐しながら巨大化を続けている。EU(欧州連合)では独占禁止や課税逃れ、個人情報保護の観点から規制強化を叫ぶ声が強まり、米国では分割論も浮上している。

そんな中、日本でも、こうしたプラットフォーマーへの規制強化の動きが浮上している。

2019年1月22日、記者会見でプラットフォーマーの取引実態調査について説明する公正取引委員会の山田昭典事務総長(写真=時事通信フォト)

自民党の競争政策調査会(伊藤達也会長)が4月18日、プラットフォーマーに対して、契約条件の明示などを義務付ける「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」の制定などを政府に求める提言をまとめた。

ネット通販などのIT大手と取引する中小企業などが、一方的に契約内容の変更を迫られたり、著しく不利な条件で契約させられたりするケースがあるとして、適切な情報開示や取引条件の変更の事前通知を義務付ける内容だ。

また、公正取引委員会に対し、独占禁止法の「優越的地位の乱用」を適用できるように、夏までに運用指針(ガイドライン)を見直すよう促した。さらに、新しい技術を開発したベンチャー企業を圧倒的な資金力を持つプラットフォーマー企業が買収するケースも相次いでおり、企業のM&A(合併・買収)の審査基準の見直しなども要望している。

■自民党の議員を動かした商店会からの「悲鳴」

自民党の議員が動き出したのには理由がある。

「アマゾン」や「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といったオンラインモールや、アプリストアなどによって、既存の小売店の存立基盤が大きく揺らいでいる。地方の商店会などは言うまでもなく自民党の支持基盤だけに、こうした商店会からの「悲鳴」を無視できなくなったのだ。

また、実際にオンラインモールを利用する小売店などの事業者も大きな不満を抱いていることが明らかになっている。

前日の4月17日に公正取引委員会が中間報告として公表したアンケート結果にも、それがはっきりと表れている。

オンラインモールを利用した事業者に規約の変更について聞いたアンケートでは、運営事業者から「一方的に変更された」という回答がアマゾンで72.8%、楽天市場で93.2%、ヤフーで49.9%に達し、その規制変更の中に「不利益な内容があった」とした回答はアマゾンで69.3%、楽天市場で93.5%、ヤフーで37.7%に及んだ。

また、運営事業者が出店や出品を不承認とした際に、その理由について「説明はなかった」とした回答が、アマゾンで64.0%、楽天市場で70.0%、ヤフーで85.7%に達し、その理由に「納得できなかった」とする回答もアマゾン66.7%、楽天市場69.2%、ヤフー16.7%と総じて高かった。

さらに、運営事業者に支払う利用料は「一方的に決定された」という回答が7割から9割を占めた。

■対象企業への規制権限が複数の省庁に分かれている

また、アップルやグーグルの「アプリストア」についても同様のアンケートが採られ、「一方的に変更された」という回答が前者では81.4%、後者では73.8%に達していた。

この中間報告で公取委は、今後の調査・検討の「視点」として、独禁法上、「利用事業者の事業活動を不当に拘束していないか,といった点が論点になり得る」とした。また、競争政策上の観点からも、「オンラインモール運営事業者と利用事業者の間における取引条件の透明性が十分に確保されていることが望ましい」としたうえで、「オンラインモール運営事業者による運用や検索アルゴリズムの不透明さなどといった点についても論点になり得る」と指摘していた。

「論点になり得る」ということは規制に乗り出すということか、というと、どうもそうではない。

プラットフォーマー企業に対する規制権限は、日本の場合、いくつかの省庁に分かれている。通信事業者などを監督する総務省や、産業育成などで一般企業を担当する経済産業省、そして競争政策を受け持つ公正取引委員会が主な規制官庁だ。欧米は伝統的に競争政策を担う独占禁止当局の力が強く、今回のGAFA規制でも独禁当局が主導権を握っている。

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