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京大のおもしろ研究 高級寿司店に監視カメラを設置して調査

京都大学経営管理大学院の山内裕・准教授

 官僚的なイメージが伴う東京大学に対し、全国から“奇人”が集うユニークさで知られる京都大学。学生以上に個性的なのが教授陣だ。研究に懸ける異常な情熱は、時に世間から“非常識”と見られてしまうことも──。『京大変人講座』(三笠書房)が累計2万5000部のベストセラーになっている。知れば知るほどオモロイその生態をレポートする。

 経営管理大学院の山内裕・准教授の研究テーマは「サービス」だ。

「これは2004年以降に始まった比較的新しい学問です。サービス業は先進国の経済の7割を占めているにもかかわらず、系統だった学問がなかった。そこで世界的にサービスについて研究しようという動きが起こりました。2010年に京大大学院がサービスのプログラムを立ち上げ、私が関わるようになったのです」(山内氏)

 山内氏が熱心に研究したのは、寿司屋や料亭などの高級料理店だ。

 サービスとは“客をもてなし、満足させる”ことである印象があるが、そういった店の多くは敷居が高く、無愛想であり、客に緊張を強いる。それでも客足が絶えないのはなぜか──そこに疑問を持ったのだ。

 山内氏は東京の高級寿司店4軒で調査を行なった。4台の監視カメラと多数のICレコーダーを設置し、店の親方と客の会話を記録したのだ。

「おもてなしというと、笑顔で優しく接客することと考えられがちで、ファストフードや安価なチェーン店などでは従業員にそう教えている。しかし高級店は真逆。

 親方は愛想笑いもせず、“何から切りましょうか”など客を試すような質問をし、怖い顔で鮨を握り続けます。そこで眼鏡にかなった客は、親方から上客として認められる。自分と対等あるいはより上の立場の人に承認してもらうことで客は価値を認識するのです。

 高級店のサービスは“安らぎの場”ではなく、“闘いの場”の提供ともいえるのです」(山内氏)

※週刊ポスト2019年5月31日号

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