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あの「令和」のコピーが欲しい 要望相次ぎ“禁止令” 発端は安倍氏と菅氏 - 「週刊文春」編集部

 口を開けば永田町中が一気にざわめく存在になった菅義偉官房長官(70)。5月17日の記者会見で、野党による内閣不信任案が衆院解散の大義になるか問われ、「当然なるのではないか」と答えた瞬間、解散風は突風に変わった。

「慎重な菅さんが踏み込んだ」「不信任案が出なければ解散しないということだ」……。自分にとって都合のいい解釈を探すかのように、永田町の住人たちは携帯電話片手に情報を求め合った。

 菅氏の存在感が一際高まったのは、4月1日の新元号発表以降。「令和おじさん」として認知度が高まり、「ポスト安倍」候補の最右翼に躍り出た。当の菅氏は首相への意欲を問われると、「私自身は以前と変わらない。政権の一員として一つ一つの課題に対応していく」と決まって冷静を装う。だが実は「令和フィーバーの世間以上に菅さんが浮足立っている」(官邸スタッフ)との声が聞こえてくる。

©AFLO

 会見で「令和」の墨書を掲げた菅氏は、その後、安倍晋三首相と一緒になって「コピーが欲しい」。政権トップ2人の要望は無論即座に叶えられたが、ことはそれだけでは終わらなかった。誰が“忖度”したのか、令和を揮毫した内閣府職員の茂住修身氏が改めて2枚揮毫し、首相と菅氏に送られたのだ。

聞きつけた関係者は「私も一枚欲しい」

 コピーの話には後日談もある。聞きつけた関係者から「私も一枚欲しい」との要望が相次いだ。だが、コピーを繰り返せば何度も強い光を浴びて歴史的資料が傷みかねず、「コピー禁止令」がだされた。「騒ぎの原点は首相と菅さんなんですがねぇ」と前出のスタッフは苦笑いを浮かべる。

 高揚感で浮足立つ菅氏の言動からは、「天下取り」への意欲も垣間見える。5月9日からの官房長官としては異例の訪米が話題になったが、その少し前のこと。官房長官秘書官らに、例えば通商問題でこんな論点が話題に出たらどう答えればいいか、などと詳しいレクを再三求めたという。在米ジャーナリストは「菅氏のこれまでの米政府内での評価は、『裏で調整する黒子で、トップリーダーには向かない』だった。訪米を成功させ、評価を覆したかったのでしょう」とみる。

 首相補佐官に加え、外務省や防衛省の幹部ら約40人を引き連れ、米側からも首脳級の厚遇を受けた菅氏。次はどんな立場で会うことになるのか、ペンス副大統領とは「また会おう」と約束したという。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2019年5月30日号)

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