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「楽しく働けない諸悪の根源はマネジャーだよね」――いい加減、昭和のマネジメントを抜け出そう

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部下は上司に、上司は部下に歩み寄らなきゃダメ

知らないことを「知らない」と伝えるのも情報共有。マネジャー自身が「私はこれができない」と周りに共有するのは大切だよね。 そうすることで、その仕事が得意な人が「できる」と名乗り出てくるかもしれないし。

みんなが理解してくれればいいですけど、部下やメンバーから「あの人、やたら聞いてくるな」とか「あの人は努力もせず聞くばかりだな」とか、内心で思われそうじゃないですか? 個人的には、部下からもマネジャーの状況を理解して、双方が歩み寄らなきゃダメなのかなと。

濱松誠(はままつ・まこと)。1982年京都府生まれ。大学卒業後、2006年パナソニックに入社。海外営業、インド事業企画を経て、本社人材戦略部に異動。グループ採用戦略や人材開発を担当。2012年、若手主体の有志団体「One Panasonic」を立ち上げ、組織の活性化やタテ・ヨコ・ナナメ・社外の交流に取り組む。2016年には同社初となるベンチャー企業(パス株式会社)への派遣人材に抜擢。同社家電部門にて、IoT家電事業の事業開発に従事。現在、ONE JAPAN共同発起人・共同代表。

それはあるね。松下幸之助の考えをまとめた『部下の哲学』と『上司の哲学』という本を知ってる? 昔は新人が入ったときに読んでもらってたの。

『上司の哲学』も新人に読んでもらうんですか?

そう。それで上司にも『部下の哲学』を読んでもらう。 両者に読んでもらって初めて「上司って結構大変なんやな」「部下はこういう風に思ってるのか」と気づけるんだよね。

いいですね。管理職研修を新人にも受けてもらったほうがいいですよね。

鎖をつけて塀を高くしてメンバーを出にくくすることは、マネジャーの仕事じゃない

山田さんはメンバーを鼓舞したり、モチベーションを上げたりもするんですか?

僕は「キャンプファイヤー」スタイルがマネジャーの理想だと思っていて。 マネジャーは、真ん中で、火を焚いて、歌い踊り続けることが大事。

アクセルを踏みたい社長とブレーキを踏みたい副社長──かみ合わなかったふたりは今、「会社さんなんていない」と思っている

ふむふむ。

マネジャーは「僕らはこういう目的があって、こういう風にやろうと思っている」っていう想いの火を焚くの。それで、何人集まろうが減ろうが、歌い続ける。 それでみんなが去っていくなら、所詮その火はその程度の火だし、それが良いものであればあるほど人は集まってくると思う。

なるほど。

メンバーを囲いに入れようと勧誘したり、鎖をつけて塀を高くして出にくくしたりすることは、マネジャーの仕事じゃない。 さらにいえば、役割を終えたら、火は消えてもいい。

目的は達成された、と。

そう。それなのに企業によっては、塀だけが残っているからって、火がないのに「誰が火を起こす?」 って押し付けあって、放火犯みたいに新規事業を起こしたり、経営者が鎮火したりしている。

うんうん、ありますね。

だから、マネジャーは現状のチームメンバーとどうするかが大事。 「この人がこうだったらいいのに」「成長させよう」なんて考えるのは、おこがましい。これは、自分がやってきての大反省でもある。

山田 理(やまだ・おさむ)。サイボウズ 取締役副社長 兼 サイボウズUSA(kintone Corporation)社長。1992年日本興業銀行入行。2000年にサイボウズへ転職し、責任者として財務、人事および法務部門を担当し、同社の人事制度・教育研修制度の構築を手がける。2014年からグローバルへの事業拡大を企図し、米国現地法人立ち上げのためサンフランシスコに赴任し、現在に至る

参加する人を操作せず「いいね!」と思われるようなキャンプファイヤーを続けることが大事なんじゃないかな。

うまくいかなかったら、「ごめん、会社!」でいい。

与えられたもののなかで、どこまでやれるかを考えるってことですね。

麻雀とかゲームもそう。配られたカードの中で、最高の手を尽くす。 どう楽しく生きるかっていうのは、ゲームと一緒だと思っていて。そのゲームをみんなが楽しめればそれでいいかなって。 うまくいかなかったら、それでいいじゃない。「ごめん、会社!」って。それくらい僕はサイボウズのために働いていない。


ノマドみたいな感覚ですね。

うん、ダメだったら、世の中で必要とされているところに行けばいいと思うよ。 でも、いま火を燃やしているのがめっちゃ面白いし、その火をもっと大きくしようと思っているからサイボウズにいるっていうだけで。

たくさん人が集まると、神格化されてしまうこともありますよね。 信者のような受け身スタイルではなく、能動的に参加してもらうためにはどうしたらいいんでしょう?

繰り返しになるけど、マネジャーが権限を持たないことだと思う。自分が物事を決めない。ただ歌い続ける。 あとはルールをつくったり、メンバーの意見にイエスやノーを言ったりしない。言うと神格化されてしまうからね。

なるほど。

ある意味、教祖的な組織があったことで世の中は変わったと思うし、組織を大きくしようと思ったら、権限を持ちたくなる。 自分で動いたほうが、組織の統制が取れて効率よく早く会社は大きくなるけれど、それはその人のエゴ。 みんながそのエゴに付いていって幸せだったらいいけど、いまそうじゃない人もたくさんいるじゃない。 だからこそパラダイムシフトというか、もう一回マネジメントや経営のあり方が問われる時代になっているのかな。


文:中森りほ 編集:松尾奈々絵(ノオト) 撮影:小野奈那子 企画:明石悠佳

執筆

ライター
中森りほ
旅が大好きな東京在住のフリーライター&編集者。生き方・働き方系を考えるインタビュー、グルメ、旅、温泉、カルチャー系が好きです。
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撮影・イラスト

写真家
小野 奈那子
人、物、食を中心に撮影しています。ライフワークはアート収集。
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編集

ライター
松尾 奈々絵
コンテンツメーカー・有限会社ノオトのライター、編集者。担当ジャンルは働き方や街紹介メディアなど。
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