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「楽しく働けない諸悪の根源はマネジャーだよね」――いい加減、昭和のマネジメントを抜け出そう

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「これからのマネジャー」について話すために集まったサイボウズ副社長・山田理と、現在マネジャーとして活躍する三越伊勢丹に勤める神谷友貴さん、そしてONE JAPAN発起人・代表の濱松誠さん。

前編では「成功したらメンバーのおかげ、失敗したらマネジャーの責任だと考える」「オープンな場に情報を出しておくべき」「無理やり人を動かそうとすると、強制力が働いて一方通行のコミュニケーションになってしまう」といった話題が広がりました。

そして鼎談が中盤に差し掛かったとき、山田の口からは「楽しく働けない諸悪の根源はマネジャーだよね」という言葉が飛び出しました。

経営陣と違って、与えられた状況のなかでやりくりするしかないマネジャーという立場。これからのマネジャーにはどんな心構えが必要なのでしょう。

マネジャーは「うちの会社ではこれが正しい価値観だ」と押し付ける存在

山田さんが出版予定の本の原稿、読みましたよ!  あれは売れますね。

ははは、ありがとう。濱松くんは『仕事はもっと楽しくできる 大企業若手 50社1200人 会社変革ドキュメンタリー』で、組織のチームワークについて書いていたよね。自分の本と重なっている部分を知りたいから、どんな内容か改めて教えてくれないかな?

もともと考えていた本のテーマは「会社を楽しく」でしたが、サイボウズの青野さんがおっしゃる通り、「カイシャ」は実在するものじゃない。 それなら、結局はどうやって楽しく仕事をするかが大事だと思い直して。

「会社さん」は存在しない。変えるべきはそこにいる同じ人間──副業と会社についてサイボウズ青野社長と考えた


会社を辞めるという手もあるなかで、職場環境に閉塞感を抱いていたり、上司の悪口を言ったり、モヤモヤしながら残っている人が多いんですよね。 でも、会社に残るんだったら、悪口を言っていてもしょうがない。仕事で面白いことをやって、楽しく働こうよっていう提案をしています。

うんうん。

楽しく働く50人の奮闘を通して「どうやったら仕事を面白くできるか」「どうしたら顧客に価値が提供できるだろうか」といった悩みや、それに対する工夫、乗り越えてどうだったかを書いた実例集ですね。

僕、思うんだけど、楽しく働けない諸悪の根源はマネジャーだよね


んんん? どういうことですか?

もちろん経営者の場合もあるだろうけど、実際に職場で一番コミュニケーションを取るのはマネジャー。その人がどういう振る舞いや理解、行動をするかによって、組織の雰囲気は本当に大きく変わる。 マネジャーは結局、マネジメントや教育という言葉で「うちの会社ではこれが正しい価値観だ」と押し付けているだけだな、と。 「これってマネジメントとして正しいことなのか?」と疑問に思うようになったんだよね。

なるほど……。

それに、いまは働き方も多様化して、個人に焦点が当たるようになった。いろんな人がいるのに、「これがうちの会社の考え方だ」と、全く同じ価値観を押し付けるのは難しい。 これからの時代に個人がいきいき働くためには、価値観が昭和のままのマネジメントはダメだよね。

人々が多様化して、マネジメントはさらに難しくなっていると。

本屋にもマネジャーの本はたくさんありますね。

そうそう。みんな悩んでる。そこで、たまたま「山田さん、本出しませんか?」と声をかけてもらったのもあって、このタイミングであらためて、マネジャーがどうあるべきか考えようということで、出版の企画がはじまったんだよね。

「上手くいかないのはマネジャーの能力不足?」決断できなければ「質問責任」を全うすることが大事

私は山田さんの本の原稿を読んで、マネジャーになってから悩んでいたことの答えを見つけられて。

神谷友貴(かみたに・ゆき)。株式会社三越伊勢丹に新卒入社。2年間婦人服の販売に従事したのち、婦人服のアシスタントバイヤーを3年経験し、百貨店事業本部MD戦略部MD政策ディビジョンに異動。現在はデジタル事業部新規事業ディビジョンカリテにてマネジャーの職務についている。濱松さんが代表を務めるONE JAPANにて富士通担当者と出会ったのをきっかけに、ドレスレンタルサービス「CARITE(カリテ)」のトライアル検証を2018年8月に銀座三越でスタート。

うれしいですね。たとえば、どんなことですか?。

いま、私が担当しているドレスレンタルサービスの「CARITE(カリテ)」を進行するにあたって、経営陣と投資についての判断をする必要があります。 経営陣と私の間に複数の上司がいるので、どうすればうまくやりとりや進行ができるのかを悩んでいました。

うんうん。

最初はなかなかうまくいかなかった。その原因は、担当マネジャーである自分の能力のせいだと思っていたんです。 でも、「上の人にうまく動いてもらう」という考えが足りなかったんだな、と本を読んで実感しました。 何かわからないこと、決断できないことがあれば、「判断で困っていることはありますか?」のように質問する「質問責任」を全うすることが大事なんだ、と。

「質問責任」はいい言葉だよなー。

「会社でモヤモヤしたことを言いづらい……」とためらっていたら、同僚に一喝されてしまった

マネジャーだからといって、自分一人で決める必要はないし、私だけが悪いわけではないことを知れてよかったです。 山田さんの考えを知れば、世の中のマネジャーが、効率よく仕事を進めるための割り切りができるようになるだろうなと感じました。

マネジャー当事者の神谷さんに届いてよかった。

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